一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問114 (学科5(施工) 問14)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問114(学科5(施工) 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鉄骨部材の組立てにおいて、溶接後の精度を確保するために、溶接により生じるひずみを考慮して、あらかじめ、逆ひずみを与える方向に鋼材を曲げ加工した。
  • デッキ合成スラブの効果を考慮した合成梁において、デッキプレートと鉄骨梁との接合として、デッキプレートを貫通して軸径16mmの頭付きスタッドを溶接することが特記されていたので、焼抜き栓溶接を省略した。
  • トルシア形高力ボルトの締付け検査において、ボルトの余長については、ナット面から突き出たボルトのねじ山はなかったが、ピンテールが破断し共回りがないことが確認されたので合格とした。
  • 接合部の母材がSN490 Bである高力ボルト接合において、接合部に1mmを超える肌すきが生じたので、両面とも摩擦面としての処理を行ったSN400Aのフィラープレートを挿入した。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、「トルシア形高力ボルトの締付け検査において、ボルトの余長については、ナット面から突き出たボルトのねじ山はなかったが、ピンテールが破断し共回りがないことが確認されたので合格とした。」という記述です。

トルシア形高力ボルトは、ピンテールが破断していることや共回りがないことだけでなく、締付け後のボルトの余長も確認します。余長は、ナット面から突き出た部分がねじ1山以上6山以下でなければなりません。

この選択肢では、ねじ山がまったく突き出していないため、合格とすることはできません。

選択肢1. 鉄骨部材の組立てにおいて、溶接後の精度を確保するために、溶接により生じるひずみを考慮して、あらかじめ、逆ひずみを与える方向に鋼材を曲げ加工した。

この記述は適当です。

鋼材を溶接すると、溶接した部分が加熱された後に冷えて縮むため、部材に反りや曲がりなどのひずみが生じることがあります。

そこで、溶接によって生じる変形をあらかじめ予測し、その反対方向に少し曲げておく方法があります。これを逆ひずみといいます。

溶接後に予定した形状や寸法となるように、あらかじめ逆向きの変形を与えておくことは、鉄骨部材の製作精度を確保する方法の一つです。

選択肢2. デッキ合成スラブの効果を考慮した合成梁において、デッキプレートと鉄骨梁との接合として、デッキプレートを貫通して軸径16mmの頭付きスタッドを溶接することが特記されていたので、焼抜き栓溶接を省略した。

この記述は適当です。

合成梁では、鉄骨梁とコンクリートスラブを一体として働かせるため、頭付きスタッドなどを用いて両者を接合します。

デッキプレートを貫通して頭付きスタッドを鉄骨梁へ溶接する場合、スタッドによってデッキプレートと鉄骨梁との接合に必要な働きを確保できます。

そのため、頭付きスタッドによる接合が特記されている場合は、焼抜き栓溶接を省略することができます。

また、デッキプレートを貫通して溶接する頭付きスタッドには、軸径16mm以上のものを用いることができます。

選択肢3. トルシア形高力ボルトの締付け検査において、ボルトの余長については、ナット面から突き出たボルトのねじ山はなかったが、ピンテールが破断し共回りがないことが確認されたので合格とした。

この記述は不適当です。

トルシア形高力ボルトは、本締めを行うと所定の締付け力に達したところでピンテールが破断する仕組みになっています。

締付け後の検査では、ピンテールが破断していることや、マーキングのずれを確認して共回りなどがないことを確認します。

しかし、それだけでは合格にはなりません。

ボルトの余長についても確認が必要で、ナット面から突き出た部分が、ねじ1山以上6山以下であることが必要です。

この選択肢では、ナット面からねじ山がまったく突き出していません。そのため、ピンテールが破断し、共回りがなくても合格とすることはできません。

選択肢4. 接合部の母材がSN490 Bである高力ボルト接合において、接合部に1mmを超える肌すきが生じたので、両面とも摩擦面としての処理を行ったSN400Aのフィラープレートを挿入した。

この記述は適当です。

高力ボルトの摩擦接合では、接合する鋼板同士を十分に密着させる必要があります。

接合部に1mmを超える肌すきがある場合は、そのすき間をなくすためにフィラープレートを挿入します。

フィラープレートには、SN400Aなどの鋼材を使用することができます。また、フィラープレートの両側は、それぞれ接合する鋼材と接するため、両面を摩擦面として適切に処理します。

したがって、1mmを超える肌すきに対して、両面を摩擦面処理したSN400Aのフィラープレートを挿入したことは適切です。

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