一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問113 (学科5(施工) 問13)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問113(学科5(施工) 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鉄骨柱据付け面の高さについては、特記がなかったので、その管理許容差を±5mmとし、ベースモルタルの平たん度を±0.5mm程度として管理した。
  • 鉄骨溶接構造の3階建ての建築物(延べ床面積500m2、高さ10m)の鉄骨を製作するに当たり、設計図書に加工能力が国土交通大臣のJグレード以上の認定をうけた工場と指定されていたので、Rグレードの鉄骨製作工場とした。
  • 1節複数層の骨組の現場溶接において、その節の下層階から溶接を行うと、上層階において柱の倒れ変形が累積するおそれがあったので、その節の最上階から溶接を行った。
  • 溶接部の融合不良の補修について、内部欠陥の位置を確認した後、欠陥部分及び欠陥端部からさらに20mm程度広げた部分を除去し、舟底形に仕上げてから再溶接した。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、「鉄骨柱据付け面の高さについては、特記がなかったので、その管理許容差を±5mmとし、ベースモルタルの平たん度を±0.5mm程度として管理した。」です。

鉄骨柱の据付け面の高さは、特記がない場合、管理許容差を±3mmとします。±5mmは管理許容差ではなく、これを超えることが原則として許されない限界許容差です。したがって、「管理許容差を±5mm」とした点が適切ではありません。JASS 6を参考にした鉄骨精度管理基準でも、柱据付け面の高さは管理許容差±3mm、限界許容差±5mmとされています。

選択肢1. 鉄骨柱据付け面の高さについては、特記がなかったので、その管理許容差を±5mmとし、ベースモルタルの平たん度を±0.5mm程度として管理した。

この記述は不適当です。

鉄骨柱を正しい高さに建てるためには、柱を載せるベースモルタルの高さを正確に仕上げる必要があります。

柱据付け面の高さについては、管理許容差と限界許容差を区別します。

管理許容差は±3mm

限界許容差は±5mm

です。

管理許容差は、通常の施工で目標とする範囲です。一方、限界許容差は、これを超える誤差は原則として認められないという範囲です。

問題文では、限界許容差である±5mmを「管理許容差」としているため、この部分が誤りです。

なお、ベースモルタルの表面は、ベースプレートが安定して載るように高い平たんさが必要であり、平たん度を±0.5mm程度として管理すること自体は適切です。

選択肢2. 鉄骨溶接構造の3階建ての建築物(延べ床面積500m2、高さ10m)の鉄骨を製作するに当たり、設計図書に加工能力が国土交通大臣のJグレード以上の認定をうけた工場と指定されていたので、Rグレードの鉄骨製作工場とした。

この記述は適当です。

鉄骨製作工場には、製作できる建築物の規模や使用する鋼材などに応じて、J、R、M、H、Sのグレードがあります。

国土交通省の資料では、Jグレードは高さ13m以下、軒高10m以下、3階以下、延べ床面積500m²以内などの低層・小規模な建築物を対象としています。一方、Rグレードは高さ20m以下、5階以下、延べ床面積3,000m²以内まで対象となり、Jグレードより広い範囲の鉄骨製作が可能です。

設計図書で「Jグレード以上」と指定されているので、Jグレードより上位のRグレードの工場を選ぶことができます。

したがって、Rグレードの鉄骨製作工場を選定したことは適切です。

選択肢3. 1節複数層の骨組の現場溶接において、その節の下層階から溶接を行うと、上層階において柱の倒れ変形が累積するおそれがあったので、その節の最上階から溶接を行った。

この記述は適当です。

鉄骨を溶接すると、溶接部分が冷えるときに縮むため、骨組みにわずかな変形が生じます。

1節の中に複数の階がある骨組みで、下の階から順番に溶接すると、下の階で生じた変形の影響が上の階へ順番に加わり、上層階ほど柱の倒れが大きくなることがあります。

実際の鉄骨建方でも、下層で生じた柱位置のずれが上層へ累積すると、建物全体で柱のずれや倒れが大きくなるおそれがあることが指摘されています。

このような変形の累積を抑えるため、1節複数層の現場溶接では、最上階から溶接を進める方法が用いられます。

したがって、この施工方法は適切です。

選択肢4. 溶接部の融合不良の補修について、内部欠陥の位置を確認した後、欠陥部分及び欠陥端部からさらに20mm程度広げた部分を除去し、舟底形に仕上げてから再溶接した。

この記述は適当です。

融合不良とは、溶接金属と母材などが十分に溶け合っていない内部欠陥です。

このような内部欠陥を補修するときは、超音波探傷試験などの記録から欠陥の位置を確認し、欠陥部分だけではなく、その端からさらに20mm程度健全な部分まで除去します。

その後、再び溶接しやすいように舟底形に整えてから補修溶接を行います。

日本溶接協会の技術資料でも、溶込み不良、融合不良、スラグ巻込み、ブローホールなどの内部欠陥は、欠陥端部より約20mm程度大きく除去し、舟底形に整形してから補修溶接するとされています。

したがって、問題文の補修方法は適切です。

参考になった数1