一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問101 (学科5(施工) 問1)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問101(学科5(施工) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

設計図書に基づく施工計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 設計図書に選ぶべき専門工事業者の候補が記載されていなかったので、設計図書に示された工事の内容・品質を達成し得ると考えられる専門工事業者を、事前に監理者と協議し、施工者の責任において選定した。
  • 特記仕様書に記載のあった「遠隔臨場」(動画撮影用カメラ等とWeb会議システム等により映像と音声を配信し、監理者の立会い等を行うことをいう。)の適用及び実施内容に基づき、施工者は実施計画書を作成し、監理者は適用する工種・確認項目を「遠隔臨場」にて行った。
  • 地下掘削工事中に埋蔵文化財が発見されたので、監理者は施工者に、書面にて工事の一時中止を命じた。
  • 工事請負契約書に基づく条件変更等により、承諾済みの実施工程表を変更する必要が生じたので、施工者が施工等に支障がないよう実施工程表を直ちに変更し、監理者は、当該部分の施工に先立ち、それを承諾した。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、「地下掘削工事中に埋蔵文化財が発見されたので、監理者は施工者に、書面にて工事の一時中止を命じた。」です。

埋蔵文化財を発見した場合、施工者は直ちにその状況を監理者などへ報告し、その後の措置について指示を受けます。しかし、工事請負契約上、工事の全部または一部を一時中止させるのは、原則として発注者です。監理者が当然に自らの権限で工事の一時中止を命じるものではありません。国土交通省の公共建築工事標準仕様書でも、埋蔵文化財を新たに発見し工事の一時中止が必要になった場合は、まずその状況を監督職員へ報告することとされています。

選択肢1. 設計図書に選ぶべき専門工事業者の候補が記載されていなかったので、設計図書に示された工事の内容・品質を達成し得ると考えられる専門工事業者を、事前に監理者と協議し、施工者の責任において選定した。

この記述は適当です。

専門工事業者とは、防水工事、左官工事、設備工事など、特定の工事を専門に行う業者です。

設計図書に、選ぶべき専門工事業者の候補が示されていない場合は、設計図書で求められている工事内容や品質を満たすことができる専門工事業者を選定します。

このとき、専門工事業者を実際に選ぶ責任を負うのは施工者です。監理者は、工事が設計図書どおりの品質で行われるかを確認する立場であり、施工者に代わって専門工事業者を選定する立場ではありません。

全日本建築士会がJASS 1の内容として示している解説でも、設計図書に専門工事業者の候補が記載されていない場合は、設計図書に示された工事の内容・品質を達成できると考えられる専門工事業者を選定するとされています。

したがって、監理者と事前に協議したうえで、施工者が自らの責任で適切な専門工事業者を選定することは、適切な対応です。

選択肢2. 特記仕様書に記載のあった「遠隔臨場」(動画撮影用カメラ等とWeb会議システム等により映像と音声を配信し、監理者の立会い等を行うことをいう。)の適用及び実施内容に基づき、施工者は実施計画書を作成し、監理者は適用する工種・確認項目を「遠隔臨場」にて行った。

この記述は適当です。

遠隔臨場とは、現場の映像と音声をWeb会議システムなどで配信し、現地へ行かなくても立会いや確認を行えるようにする方法です。

遠隔臨場の適用や実施内容は特記によることとされており、施工者は、適用する工種・確認項目、使用する機器、実施方法などを示した実施計画書を作成します。その計画に基づき、監理者が対象となる確認などを遠隔で行うことができます。

選択肢3. 地下掘削工事中に埋蔵文化財が発見されたので、監理者は施工者に、書面にて工事の一時中止を命じた。

この記述は不適当です。

埋蔵文化財を発見した場合は、そのまま工事を進めるのではなく、まず施工者が直ちにその状況を監理者や監督職員へ報告します。その後は、関係機関との協議などを含め、指示された措置に従います。

ただし、工事の一時中止は契約上の重要な措置です。一般的な工事請負契約では、施工者の責任ではない事情によって工事を続けられない場合、発注者が中止内容を施工者に通知して工事を一時中止させます。
したがって、監理者が当然に自らの権限で施工者へ「工事の一時中止を命じる」としている点が適切ではありません。監理者に発注者からその権限が明確に委託されている場合などは別ですが、この問題ではそのような条件は示されていません。

選択肢4. 工事請負契約書に基づく条件変更等により、承諾済みの実施工程表を変更する必要が生じたので、施工者が施工等に支障がないよう実施工程表を直ちに変更し、監理者は、当該部分の施工に先立ち、それを承諾した。

この記述は適当です。

工事の条件が変わり、実施工程表を変更する必要が生じた場合は、施工者は施工に支障が出ないよう工程表を直ちに変更します。

また、変更した工程表については、変更に関係する工事を始めてから承諾を受けるのではなく、その部分の施工に先立って監理者の承諾を受ける必要があります。

公共建築工事標準仕様書でも、「実施工程表を直ちに変更し、当該部分の施工に先立ち、監督職員の承諾を受ける」とされています。

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