一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問99 (学科4(構造) 問29)
問題文
鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問99(学科4(構造) 問29) (訂正依頼・報告はこちら)
鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- (一社)日本鉄鋼連盟の製品規定「建築構造用冷間ロール成形角形鋼管」に適合するBCR295材の降伏点又は耐力の下限値は、295N/mm2である。
- 建築構造用圧延鋼材SN400 Aは炭素量の上限と降伏点の下限が規定されているが、十分な変形性能は保証されていない。
- 建築構造用圧延鋼材の常温から400℃程度までの引張強さは、一般に、その鋼材の基準強度(F値)よりも大きい。
- 熱間圧延鋼材の板厚方向(Z方向)の強度は、圧延方向(L方向)や圧延方向に直角な方向(C方向)よりも大きい。
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この過去問の解説 (1件)
01
最も不適当なのは、「熱間圧延鋼材の板厚方向(Z方向)の強度は、圧延方向(L方向)や圧延方向に直角な方向(C方向)よりも大きい。」です。
熱間圧延鋼材は、圧延によって鋼材内部の組織や介在物が圧延方向に延ばされるため、一般に板厚方向であるZ方向の強度や変形性能は、L方向やC方向より低くなる傾向があります。したがって、「Z方向の強度のほうが大きい」とする部分が逆です。
この記述は適当です。
BCR295は、建築物の柱などに使われる冷間ロール成形角形鋼管です。「295」という数字は、降伏点または耐力の下限値を表しています。
したがって、BCR295の降伏点または耐力の下限値は295N/mm²です。日本鉄鋼連盟も、BCR295について降伏耐力の下限値を295N/mm²としています。
この記述は適当です。
SN400Aには、炭素量の上限や降伏点の下限などが定められています。一方、SN400BやSN400Cで定められている降伏比の上限やシャルピー吸収エネルギーなど、塑性変形能力や靱性を確保するための規定の一部がSN400Aにはありません。
そのため、SN400Aは、大きな塑性変形を期待する柱や梁などではなく、一般に小梁、間柱、母屋など、弾性範囲で使用する部位に用いられます。つまり、十分な変形性能が保証された鋼材ではありません。
この記述は適当です。
基準強度Fは、構造計算で鋼材の強度を決める基準となる値で、引張強さそのものではありません。
鋼材の引張強さは常温では基準強度Fよりかなり大きく、温度が上昇すると変化します。一般的な建築構造用鋼材では、200~300℃付近まで引張強さが増加する場合があり、その後低下していきます。
国土技術政策総合研究所によるSN400B、SN490Bの高温試験でも、引張強さをF値で割った値は400℃程度までは1を上回っており、引張強さがF値より大きいことが確認できます。400℃を超えると温度上昇に伴って強度の低下が進みます。
したがって、常温から400℃程度までの引張強さが、一般に基準強度Fより大きいという記述は適切です。
この記述は不適当です。
熱間圧延鋼材では、鋼材をローラーで延ばして製造するため、材料の性質に方向による違いが生じます。
L方向は圧延した方向、C方向は板の面内でL方向に直角な方向、Z方向は板厚方向です。
一般に、板厚方向であるZ方向は、L方向やC方向より強度や変形性能が低くなる傾向があります。過去の研究でも、板厚方向の強度が圧延方向より小さくなることが確認されています。
このため、板厚方向に大きな引張力がかかる部位では、板厚方向の性能を確認したSN400CやSN490Cなどが使われます。C種には、板厚方向の絞り値などが規定されています。
したがって、「Z方向の強度のほうが大きい」という記述は、実際とは反対です。
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