一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問60 (学科3(法規) 問20)
問題文
共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問60(学科3(法規) 問20) (訂正依頼・報告はこちら)
共同住宅に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
- 共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積は、当該床面積が当該建築物の床面積の合計の1/3を超える場合においては1/3を限度として、建築物の容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないことができる。
- 共同住宅の地階に設ける居室においては、採光のための窓その他の開口部の採光に有効な部分の面積を、その居室の床面積に対して1/7以上としないことができる。
- 主要構造部を耐火構造とした地上11階建ての共同住宅におけるメゾネット形式の住戸について、その階数が2であり、かつ、出入口が一の階のみにあるものの当該出入口のある階以外の階においては、その階の居室の各部分から避難階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離は、40m以下としなければならない。
- 主要構造部が耐火構造である地上20階建ての共同住宅において、階段室、昇降機の昇降路、廊下等が所定の方法で区画され、各住戸の床面積の合計が200m2(住戸以外は100m2)以内ごとに防火区画されている場合には、15階以上の階に通ずる直通階段は、特別避難階段としなくてもよい。
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この過去問の解説 (1件)
01
誤っているのは、「共同住宅の共用の廊下又は階段の床面積は、建築物の床面積の合計の1/3を限度として、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないことができる。」という記述です。
共同住宅の共用の廊下や階段の床面積は、容積率を計算するときの延べ面積には算入しません。
この不算入について、「建築物の床面積の合計の1/3まで」という上限はありません。
1/3という限度があるのは、一定の条件を満たす住宅の地階部分についての容積率の特例などです。共同住宅の共用廊下・共用階段の不算入とは別の規定です。
建築基準法第52条第6項では、共同住宅などの共用の廊下または階段の床面積は、容積率算定の基礎となる延べ面積に算入しないとされています。国土交通省も、共同住宅の共用廊下・階段については、その床面積を容積率算定上の延べ面積に算入しないと説明しています。
この記述は誤りです。
共同住宅の共用廊下や共用階段は、住戸へ出入りするために共同で使用する部分です。
建築基準法第52条第6項では、このような共同住宅の共用廊下・共用階段の床面積を、容積率算定の基礎となる延べ面積に算入しないこととしています。
そして、この不算入については、「床面積の合計の1/3まで」という上限はありません。自治体の案内でも、共同住宅の共用廊下・階段は「全て」容積率算定上の延べ面積から除くものとして整理されています。
したがって、共用廊下・共用階段の床面積が建築物全体の床面積の1/3を超えていても、「1/3までしか除けない」という扱いにはなりません。
この記述は適当です。
住宅の居室には、原則として採光のための窓などを設け、必要な採光面積を確保します。
しかし、建築基準法第28条第1項には例外があり、地階や地下工作物内に設ける居室などについては、この採光規定を適用しないことができます。
したがって、共同住宅の地階に設ける居室については、一般の住宅の居室のように、必ず採光に有効な開口部を床面積の1/7以上としなければならないわけではありません。
ただし、地階の住宅の居室には別の安全・衛生上の規定があります。
建築基準法第29条では、地階に設ける住宅の居室について、壁や床の防湿など、衛生上必要な基準に適合させることを求めています。
この記述は適当です。
メゾネット形式の住戸とは、1つの住戸の内部が2階や3階に分かれている形式です。
建築基準法施行令第123条の2では、主要構造部を準耐火構造とした共同住宅の住戸で、
・住戸の階数が2または3
・出入口が1つの階だけにある
という場合について特例を定めています。耐火構造の共同住宅も、この規定の対象に含まれます。
この特例を利用するには、出入口がない階の居室の各部分から、避難階または地上に通じる直通階段の一つまでの歩行距離を40m以下とする必要があります。
つまり、住戸内部の階段を通って住戸の出入口へ向かい、そこから建物の直通階段へ向かう避難経路が長くなりすぎないようにする規定です。
この記述は適当です。
通常、建築物の15階以上の階に通じる直通階段は、特別避難階段とする必要があります。
高層階では、火災時に煙が階段へ入り込むと避難が非常に難しくなるため、一般の避難階段より防火・防煙性能の高い特別避難階段が求められます。
しかし、建築基準法施行令第122条第1項には例外があります。
特定主要構造部が耐火構造であり、階段室、昇降機の昇降路、廊下などの避難部分が所定の耐火構造の床・壁や特定防火設備で区画され、さらに、
共同住宅の住戸
→床面積200m2以内ごと
住戸以外
→床面積100m2以内ごと
に防火区画されている場合は、同項の特別避難階段としなければならない規定の例外となります。
したがって、問題文の条件を満たしていれば、15階以上の階に通じる直通階段であっても、特別避難階段としなくてもよい場合があります。
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