一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問58 (学科3(法規) 問18)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問58(学科3(法規) 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

防火地域及び準防火地域内の建築物の新築に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、いずれの建築物にも火熱遮断壁等はないものとする。
  • 防火地域内においては、工事を施工するために現場に設ける、延べ面積80m2、地上2階建ての仮設事務所の用途に供する建築物は、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。
  • 防火地域内においては、延べ面積150m2、平家建ての事務所の用途に供する建築物は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。
  • 防火地域内においては、延べ面積2,000m2、平家建てのスポーツの練習場の用途に供する開放的簡易建築物の主要構造部である柱及びはりは、準耐火構造であるか、又は不燃材料で造らなければならない。
  • 準防火地域内においては、延べ面積1,400m2、地上3階建ての事務所の用途に供する建築物は、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、「防火地域内において、工事を施工するために現場に設ける、延べ面積80m2、地上2階建ての仮設事務所は、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。」という記述です。

工事を行うために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場などの仮設建築物には、建築基準法第85条第2項による特例があります。

この特例によって、防火地域・準防火地域内の建築物の耐火性能などを定める第61条を含む「第三章」の規定は、原則として適用されません。

ただし、防火地域または準防火地域内にあり、延べ面積が50m2を超える場合には、第62条の「屋根」に関する規定は適用されます。

したがって、延べ面積80m2の現場の仮設事務所は、屋根についての防火性能は必要ですが、地上2階建てであることを理由に、耐火建築物や準耐火建築物などにしなければならないわけではありません。

選択肢1. 防火地域内においては、工事を施工するために現場に設ける、延べ面積80m2、地上2階建ての仮設事務所の用途に供する建築物は、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

この記述は誤りです。

通常、防火地域内の建築物には、建築物の規模に応じて高い延焼防止性能が求められます。

しかし、この建築物は一般的な事務所ではなく、工事を施工するために現場に設ける「仮設事務所」です。

建築基準法第85条第2項では、このような現場の仮設事務所について、第三章の規定を適用しないとしています。

防火地域・準防火地域の建築物について定める第61条も第三章に含まれるため、この仮設事務所には第61条の規定は適用されません。

ただし、延べ面積が50m2を超えるため、第62条の屋根に関する規定は適用されます。

選択肢2. 防火地域内においては、延べ面積150m2、平家建ての事務所の用途に供する建築物は、耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

この記述は適当です。

防火地域では、建築物の階数と延べ面積によって、必要となる防火性能が決まります。

建築基準法施行令第136条の2では、防火地域内で、

階数が3以上の建築物

または

延べ面積が100m2を超える建築物

について、高い延焼防止性能を求めています。

この建築物は平家建てですが、延べ面積は150m2です。

150m2は100m2を超えているため、階数が1階であっても、この区分に該当します。

そのため、耐火建築物またはこれと同等以上の延焼防止性能をもつ建築物とする必要があります。

選択肢3. 防火地域内においては、延べ面積2,000m2、平家建てのスポーツの練習場の用途に供する開放的簡易建築物の主要構造部である柱及びはりは、準耐火構造であるか、又は不燃材料で造らなければならない。

この記述は適当です。

建築基準法には、壁をほとんど設けないスポーツ練習場などの「簡易な構造の建築物」について、通常の防火規定をそのまま適用しない特例があります。

建築基準法施行令第136条の9では、

壁を有しないなど高い開放性があること

間仕切壁を有しないこと

スポーツの練習場などの用途であること

階数が1であること

床面積が3,000m2以内であること

などの条件を満たすものを「開放的簡易建築物」としています。

この建築物は、平家建てで床面積2,000m2なので、面積については3,000m2以内です。

さらに、防火地域内の開放的簡易建築物については、施行令第136条の10により、主要構造部である柱とはりを準耐火構造とするか、不燃材料で造ることなどが求められています。

選択肢4. 準防火地域内においては、延べ面積1,400m2、地上3階建ての事務所の用途に供する建築物は、耐火建築物若しくは準耐火建築物又はこれらと同等以上の延焼防止時間となる建築物としなければならない。

この記述は適当です。

準防火地域では、防火地域より規制は緩やかですが、建築物の階数や規模が大きくなると、耐火性能や準耐火性能が必要になります。

建築基準法施行令第136条の2では、準防火地域内で、

地階を除く階数が3で、延べ面積が1,500m2以下の建築物

または

地階を除く階数が2以下で、延べ面積が500m2を超え1,500m2以下の建築物

について、一定以上の延焼防止性能を求めています。

この建築物は、

地上3階建て

延べ面積1,400m2

なので、この区分に該当します。

したがって、耐火建築物、準耐火建築物、またはこれらと同等以上の延焼防止性能をもつ建築物とする必要があります。国土交通省や自治体の案内でも、準防火地域の3階建てで延べ面積1,500m2以下の建築物は、準耐火建築物等の区分として整理されています。

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