一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問47 (学科3(法規) 問7)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問47(学科3(法規) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

防火、耐火等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 1時間耐火構造の木材の柱の防火被覆は、強化せっこうボードを2枚以上張ったもので、その厚さの合計を46mm以上としなければならない。
  • 延べ面積2,000m2の病院において、床面積100m2以内ごとに防火区画した部分については、排煙設備を設けなくてもよい。
  • 耐火建築物における特定主要構造部である柱は、当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて、屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐え、かつ、当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えることが求められる。
  • 延べ面積5,000m2、地上10階建ての既存のホテルにおいて、営業を継続しながら避難施設に関する工事を施工する場合、建築主は、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して、特定行政庁に届け出なければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、

「耐火建築物における特定主要構造部である柱は、当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて、屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐え、かつ、当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えることが求められる。」

です。

耐火建築物の特定主要構造部には、屋内で発生する火災に対して必要な耐火性能が求められます。

一方、建築物の周囲で発生する火災、つまり外部から受ける火災に対する性能まで求められるのは外壁です。

したがって、特定主要構造部である柱について、屋内火災だけでなく周囲の火災にも火災終了まで耐えることが必要であるとする部分が誤りです。建築基準法第2条第九号の二では、外壁以外の特定主要構造部については、屋内火災に対する性能だけが求められています。

選択肢1. 1時間耐火構造の木材の柱の防火被覆は、強化せっこうボードを2枚以上張ったもので、その厚さの合計を46mm以上としなければならない。

この記述は適当です。

木材は火によって燃える材料なので、柱を1時間耐火構造とするためには、木材の周囲を防火被覆で守る方法があります。

国土交通大臣が定める耐火構造の構造方法では、木材または鉄材の柱について、

強化せっこうボードを2枚以上張り、その厚さの合計を46mm以上とする構造

が、1時間耐火構造の告示仕様として定められています。

強化せっこうボードによって木材へ熱が伝わるのを遅らせ、火災時にも柱が必要な時間、建物を支えられるようにします。

選択肢2. 延べ面積2,000m2の病院において、床面積100m2以内ごとに防火区画した部分については、排煙設備を設けなくてもよい。

この記述は適当です。

病院は、多くの人が利用し、自力で避難することが難しい人もいるため、一定規模を超える場合は原則として排煙設備が必要です。

ただし、建築基準法施行令第126条の2では、病院などについて、

「準耐火構造の床や壁、または所定の防火設備で区画され、その部分の床面積が100m²以内である場合」

は、排煙設備を設けなくてもよいとされています。

防火区画によって火災や煙が広がる範囲を小さくできるため、このような緩和が認められています。

選択肢3. 耐火建築物における特定主要構造部である柱は、当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて、屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐え、かつ、当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えることが求められる。

この記述は誤りです。

建築基準法では、耐火建築物の特定主要構造部について、火災に対して必要な性能を定めています。

まず、柱を含む特定主要構造部には、

【屋内で発生すると予測される火災に、火災が終了するまで耐える性能】

が求められます。

ここまでは適切です。

しかし、

【建築物の周囲で発生する通常の火災に、火災が終了するまで耐える性能】

については、外壁に求められる性能です。

建築基準法第2条第九号の二では、「外壁以外の特定主要構造部」については屋内火災に関する性能に限ることが明記されています。さらに、施行令第108条の4でも、周囲の火災に対する性能については外壁を対象として規定されています。

柱は外壁ではないため、周囲で発生する火災に対するこの性能まで一律に求められるわけではありません。

つまり、この記述は、

「柱にも屋内火災と屋外からの火災の両方に対する性能が必要である」

としている点が適切ではありません。

選択肢4. 延べ面積5,000m2、地上10階建ての既存のホテルにおいて、営業を継続しながら避難施設に関する工事を施工する場合、建築主は、あらかじめ、当該工事の施工中における当該建築物の安全上、防火上又は避難上の措置に関する計画を作成して、特定行政庁に届け出なければならない。

この記述は適当です。

ホテルは、多くの人が宿泊する建築物です。

営業を続けながら階段、廊下、出入口、防火区画などの避難施設に関する工事をすると、通常使える避難経路が一時的に使えなくなるなど、火災時の安全性が低下する可能性があります。

そのため、建築基準法第90条の3では、政令で定める一定規模以上のホテルなどについて、避難施設等に関する工事をしながら建築物を使用する場合、建築主はあらかじめ、

・工事中の安全上の措置
・防火上の措置
・避難上の措置

について計画を作成し、特定行政庁へ届け出ることとされています。

現在の行政案内でも、ホテルなどの対象建築物で営業を続けながら避難施設等を工事する場合には、この安全計画の届出が必要であることが示されています。

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