一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問43 (学科3(法規) 問3)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問43(学科3(法規) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 延べ面積15,000m2、高さ50mの共同住宅の新築において、保有水平耐力計算によりその安全性を確認したものは、都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関による構造計算適合性判定を受けなければならない。
  • 準防火地域内の一戸建て住宅の増築において、当該増築部分の床面積が10m2以内である場合は、確認済証の交付を受ける必要はない。
  • 特定行政庁が特定工程の指定と併せて指定する特定工程後の工程に係る工事は、当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受ける前に施工してはならない。
  • 確認済証の交付を受けた工事中の建築物について、当該建築物の高さが減少する場合における建築物の高さの変更(建築物の高さの最低限度が定められている区域内の建築物に係るものを除く。)をして、当該建築物を建築する場合で、変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものは、あらためて、確認済証の交付を受ける必要はない。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、

「準防火地域内の一戸建て住宅の増築において、当該増築部分の床面積が10m²以内である場合は、確認済証の交付を受ける必要はない。」

です。

床面積10m²以内の小規模な増築で確認申請が不要となるのは、原則として防火地域・準防火地域の外で行う場合です。

したがって、準防火地域内では、増築部分が10m²以内であっても建築確認を受け、工事に着手する前に確認済証の交付を受ける必要があります。現行の建築基準法第6条第2項でも、この確認不要の特例は「防火地域及び準防火地域外」に限られています。

選択肢1. 延べ面積15,000m2、高さ50mの共同住宅の新築において、保有水平耐力計算によりその安全性を確認したものは、都道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関による構造計算適合性判定を受けなければならない。

この記述は適当です。

保有水平耐力計算は、大きな地震などによって建築物に強い横向きの力が加わった場合に、建築物が倒壊しないだけの耐力をもっているかを確認する構造計算です。

一般に「ルート3」と呼ばれる計算方法です。

保有水平耐力計算によって安全性を確認する建築物は、原則として構造計算適合性判定の対象となります。構造計算適合性判定では、確認申請とは別に、構造計算が法令に適合しているかを専門的にチェックします。東京都も、現行制度について「保有水平耐力計算(ルート3)は構造計算適合性判定の対象」と案内しています。

したがって、この共同住宅では構造計算適合性判定を受ける必要があります。

選択肢2. 準防火地域内の一戸建て住宅の増築において、当該増築部分の床面積が10m2以内である場合は、確認済証の交付を受ける必要はない。

この記述は誤りです。

建築基準法では、一定の小規模な増築について、建築確認を不要とする特例があります。

ただし、この特例が使えるのは、

「防火地域及び準防火地域外で、増築・改築・移転する部分の床面積の合計が10m²以内の場合」

です。

つまり、10m²以内であれば、どこでも確認申請が不要になるわけではありません。

準防火地域では火災が周囲へ広がるのを防ぐため、建築物に通常より厳しい防火上の基準が設けられています。そのため、小規模な増築であっても、この確認不要の特例は適用されません。

2026年時点の自治体の案内でも、防火地域・準防火地域では10m²以内の小規模な増築であっても確認申請が必要であることが明示されています。

したがって、この場合は工事に着手する前に確認を受け、確認済証の交付を受ける必要があります。

選択肢3. 特定行政庁が特定工程の指定と併せて指定する特定工程後の工程に係る工事は、当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受ける前に施工してはならない。

この記述は適当です。

建築工事では、工事が進むと後から確認できなくなる部分があります。

そのため、特定行政庁は、工事の途中で検査する必要がある工程を「特定工程」として指定することができます。

特定工程が終わると中間検査を受け、建築基準関係規定に適合していることが確認されると、中間検査合格証が交付されます。

そして、特定行政庁が指定した「特定工程後の工程」は、その中間検査合格証が交付されるまで施工できません。

たとえば、鉄筋の配筋を中間検査する場合、その後にコンクリートを打ってしまうと鉄筋を確認できなくなります。そのため、検査が終わる前に次の工程へ進むことを防いでいます。建築基準法第7条の3第6項でも、この扱いが定められています。

選択肢4. 確認済証の交付を受けた工事中の建築物について、当該建築物の高さが減少する場合における建築物の高さの変更(建築物の高さの最低限度が定められている区域内の建築物に係るものを除く。)をして、当該建築物を建築する場合で、変更後も建築物の計画が建築基準関係規定に適合することが明らかなものは、あらためて、確認済証の交付を受ける必要はない。

この記述は適当です。

いったん確認済証の交付を受けた後に建築計画を変更する場合は、原則として変更について改めて確認を受ける必要があります。

ただし、法令で定められた「軽微な変更」であれば、改めて確認済証の交付を受ける必要はありません。

建築基準法施行規則では、

「建築物の高さが減少する場合の高さの変更」

は、一定の条件を満たせば軽微な変更として扱われます。

ただし、建築物の高さの最低限度が定められている区域では、高さを下げることでその基準に違反する可能性があるため、この扱いから除かれています。

また、変更後も建築基準関係規定に適合することが明らかであることが必要です。

したがって、問題文の条件を満たしている場合は、改めて確認済証の交付を受ける必要はありません。

参考になった数2