一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問39 (学科2(環境・設備) 問19)
問題文
建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問39(学科2(環境・設備) 問19) (訂正依頼・報告はこちら)
建築設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- リバースリターン方式は、往き管と還り管の流量が等しい循環配管系には適しているが、給湯管と返湯管で流量が大きく異なる場合には適さない。
- 基礎免震構造の事務所ビルに設置するエレベーターの設計用水平震度は、建築物の高さが高くなるほど、大きい値を採用する。
- 非常用エレベーターには、火災時に籠の戸を開いたまま、籠を昇降させることができる装置を設けなければならない。
- 横引き配管等の耐震支持の適用に際し、配管、ダクト、電気配線、ケーブルラックの末端付近では、原則として、耐震クラスによらず、耐震支持を設ける。
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この過去問の解説 (1件)
01
最も不適当なのは、
「基礎免震構造の事務所ビルに設置するエレベーターの設計用水平震度は、建築物の高さが高くなるほど、大きい値を採用する。」
です。
基礎免震構造では、建物の下部にある免震層によって地震の揺れが上部の建物へ伝わりにくくなるようにします。
そのため、一般的な耐震構造の建物のように、単純に「建物が高くなるほどエレベーターの設計用水平震度を大きくする」と考えるのは適切ではありません。免震構造では、地震応答解析などによって求めた建物の揺れ方を考慮して設計用水平震度を決めます。国土交通省の仕様でも、免震構造や制振構造については通常の階ごとの値とは別に扱うことが示されています。
この記述は適当です。
リバースリターン方式は、各機器までの「往き管と還り管を合わせた配管の長さ」をできるだけ同じにして、各経路の圧力損失をそろえやすくする方式です。
空調設備の冷温水配管のように、往き管と還り管の流量がほぼ等しい循環系では、各機器へ流れる水量をそろえやすくなります。
一方、給湯設備では、給湯管には実際に使用される湯も流れるため、返湯管を流れる循環水との間で流量に大きな違いが生じます。このような場合は、配管の長さをそろえるだけでは各経路の圧力損失を均等にしにくいため、リバースリターン方式には適しません。
この記述は不適当です。
設計用水平震度は、地震のときにエレベーターの機器などへどの程度の水平方向の力が加わるものとして設計するかを示す値です。
一般的な耐震構造の建物では、上層階ほど揺れが大きくなることを考えて、設置する高さに応じて設計用水平震度を大きくする考え方があります。
しかし、基礎免震構造では事情が異なります。
免震層によって上部構造へ伝わる地震の揺れを小さくするため、建物の高さだけを理由に設計用水平震度を大きくするものではありません。免震構造では、地震応答解析によって得られた床の応答加速度などをもとに設計します。
したがって、「建築物の高さが高くなるほど、大きい値を採用する」と一律に説明している点が適切ではありません。
この記述は適当です。
通常のエレベーターは、安全のため、戸が閉じてから昇降するようになっています。
しかし、非常用エレベーターは、火災時に消防隊が消火や救助活動に使用する特別なエレベーターです。
そのため、通常の安全装置の一部の機能を停止させ、必要な場合には籠の戸を開いたまま昇降できる装置を設けることが求められています。
建築基準法施行令第129条の13の3では、非常用エレベーターについて、籠の戸を開いたまま籠を昇降させることができる装置を設けることが定められています。
この記述は適当です。
横引きされた配管やダクトなどは、地震で横方向に大きく揺れると、周囲の設備にぶつかったり、支持部分が壊れたりするおそれがあります。
特に末端部分は、先端側が自由に動きやすいため、地震時の揺れが大きくなりやすい部分です。
そのため、配管、ダクト、電気配線、ケーブルラックの末端付近には、原則として耐震クラスにかかわらず耐震支持を設けます。
「建築設備耐震設計・施工指針2014年版」でも、末端付近には耐震クラスによらず耐震支持を設けることを原則としています。なお、この2014年版は現在も日本建築センターが最新版として案内しています。
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