一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問31 (学科2(環境・設備) 問11)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問31(学科2(環境・設備) 問11) (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 光学機器等の精密機器を製造する工場に、温度と湿度を常に一定に保持することができる放射冷却方式を採用した。
  • フリーアドレスを採用している事務室に、在席者に合わせて空調することができるパーソナル空調方式を採用した。
  • データセンターのサーバールームに、高密度な発熱を冷却することができる壁吹出し空調方式を採用した。
  • 劇場のホールに、客席部分を効率よく空調することができる椅子吹出し空調方式を採用した。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、

「光学機器等の精密機器を製造する工場に、温度と湿度を常に一定に保持することができる放射冷却方式を採用した。」

です。

放射冷却方式は、冷やした天井や壁などからの放射によって、人や室内を冷やす方式です。気流が少なく、快適性を高めやすいという特徴があります。

しかし、放射冷却だけでは湿度を十分に調整できません。また、表面温度を下げすぎると結露するおそれがあります。そのため、温度と湿度を高い精度で一定に保つ必要がある精密機器工場の空調方式として、「放射冷却方式によって温度と湿度を常に一定に保持できる」とするのは不適当です。放射冷房では結露が課題となることも知られています。

選択肢1. 光学機器等の精密機器を製造する工場に、温度と湿度を常に一定に保持することができる放射冷却方式を採用した。

この記述は不適当です。

放射冷却方式は、冷たい天井や壁などと人体・室内物体との間で熱をやり取りして、室内を冷やす方式です。

この方式は温度を下げることには利用できますが、空気中の水分を取り除く働きは基本的に別の設備で行う必要があります。

さらに、放射面の温度が空気の露点温度より低くなると、放射面に水滴が付く結露が起こるおそれがあります。このため、放射冷房では湿度管理や結露防止が重要になります。

光学機器などの精密機器を製造する工場では、製品の品質を安定させるために、温度だけでなく湿度も細かく管理する必要があります。

したがって、放射冷却方式そのものによって「温度と湿度を常に一定に保持することができる」とする点が適切ではありません。

選択肢2. フリーアドレスを採用している事務室に、在席者に合わせて空調することができるパーソナル空調方式を採用した。

この記述は適当です。

パーソナル空調方式は、室内全体を一律に同じ状態にするのではなく、利用者のいる場所や一人ひとりの好みに合わせて空調する方式です。

フリーアドレスの事務室では、決まった席を使うとは限らず、日によって人がいる場所も変わります。

パーソナル空調を利用すると、在席している人の位置などに応じて必要な場所を空調できるため、フリーアドレスの事務室に適しています。実際に、在席状況や利用場所に応じて空調する仕組みが研究・開発されています。

選択肢3. データセンターのサーバールームに、高密度な発熱を冷却することができる壁吹出し空調方式を採用した。

この記述は適当です。

データセンターには多くのサーバーが並んでおり、サーバーから大量の熱が発生します。そのため、発生した熱を効率よく取り除くことが重要です。

壁吹出し空調方式では、壁側から冷たい空気をサーバーの吸込み側へ送り、サーバーを冷却します。

データセンターでは、壁吹出し空調方式について、高発熱機器の冷却や空調効率を考えた研究・実用例があります。二重床を使った方式と比べ、空調機の消費電力や空調スペースを抑えられる利点もあります。

そのため、高密度に発熱するサーバールームに壁吹出し空調方式を採用することは適切です。

選択肢4. 劇場のホールに、客席部分を効率よく空調することができる椅子吹出し空調方式を採用した。

この記述は適当です。

椅子吹出し空調方式は、客席の椅子の下などから空調した空気を吹き出す方式です。

劇場のホールは天井が高く、室内全体を同じ温度にしようとすると、多くの空調エネルギーが必要になります。

椅子の近くから空気を吹き出せば、人がいる客席部分を中心に空調できるため、広いホール全体を強く空調する必要がありません。

実際に、ホールなどの大空間では、客席付近を空調する方法として椅子吹出し空調が用いられています。

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