一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問26 (学科2(環境・設備) 問6)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問26(学科2(環境・設備) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

日照・日射・採光に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 窓面における日照・日射の調整のために設けるルーバーは、一般に、南向き窓面には水平のものが、西向き窓面には垂直のものが有効である。
  • 鉛直壁面の中心に設けられる同一面積の窓からの採光においては、横長窓より縦長窓のほうが、窓面の中心線上にある床面について、室の奥まで光が届く。
  • 水平面天空日射量は、大気透過率が大きいほど、小さくなる。
  • 昼光率は、窓外に見える建築物や樹木の有無にかかわらず、室中央では一定の値となる。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なのは、「昼光率は、窓外に見える建築物や樹木の有無にかかわらず、室中央では一定の値となる。」です。

昼光率は、屋外の全天空照度に対して、室内のある点がどのくらい明るいかを割合で表したものです。

昼光率は、天候によって屋外の明るさそのものが変わっても、同じ建物・同じ条件であれば基本的に大きく変わりません。しかし、窓の外に建築物や樹木などがあると、窓から見える空が遮られ、室内へ入る天空光が少なくなります。

そのため、窓外の建築物や樹木の有無によって、室中央の昼光率も変化します。外部の障害物は、室内へ入る昼光に影響することが知られています。

選択肢1. 窓面における日照・日射の調整のために設けるルーバーは、一般に、南向き窓面には水平のものが、西向き窓面には垂直のものが有効である。

この記述は適当です。

南向きの窓では、夏の日中は太陽高度が高く、日射は上のほうから入ってきます。そのため、窓の上部から水平に張り出す水平ルーバーは、日射を遮るのに効果的です。

一方、西向きの窓では、午後から夕方にかけて太陽高度が低くなり、日射は横方向から入りやすくなります。

このような低い角度から入る西日には、水平ルーバーよりも垂直ルーバーのほうが有効です。

選択肢2. 鉛直壁面の中心に設けられる同一面積の窓からの採光においては、横長窓より縦長窓のほうが、窓面の中心線上にある床面について、室の奥まで光が届く。

この記述は適当です。

窓の面積が同じでも、窓の形によって室内への光の入り方は変わります。

縦長窓は横長窓に比べて、窓の上端を高い位置まで設けることができます。高い位置から入る光は、床面のより奥まで届きやすくなります。

建築研究所の資料でも、窓の位置は高いほど室の奥まで光が届きやすく、同じ面積であれば縦長窓のほうが室内の照度の均一性がよくなるとされています。

したがって、窓面の中心線上の床面では、横長窓より縦長窓のほうが奥まで採光しやすくなります。

選択肢3. 水平面天空日射量は、大気透過率が大きいほど、小さくなる。

この記述は適当です。

天空日射は、太陽からの光が大気中の水蒸気やちりなどによって散乱し、空のさまざまな方向から地表に届く日射です。

大気透過率が大きいということは、大気が澄んでいて、太陽の光が途中で散乱されずに通り抜けやすいことを意味します。

すると、直接地表へ届く直達日射は多くなりますが、大気中で散乱される光は少なくなるため、天空日射量は小さくなります。

つまり、

大気透過率が大きい
→大気が澄んでいる
→光が散乱しにくい
→天空日射が少なくなる

という関係です。

選択肢4. 昼光率は、窓外に見える建築物や樹木の有無にかかわらず、室中央では一定の値となる。

この記述は不適当です。

昼光率は、

室内のある点の昼光による照度 ÷ 屋外の全天空照度

によって表されます。

昼光率は、屋外の明るさが変化しただけでは基本的に大きく変わりません。屋外が明るくなれば、室内に入る光も同じように増えるためです。

しかし、これは「窓の外の条件が変わっても一定」という意味ではありません。

窓の前に建築物があれば、その建築物によって空の一部が隠されます。樹木があれば、枝や葉によって光が遮られます。

このような外部の障害物があると、室内から見える天空の範囲が小さくなり、室内へ直接入る天空光が減ります。また、建築物などから反射して入る光の量も変わります。

昼光率は、天空から直接入る光、屋外の物体から反射して入る光、室内で反射する光などによって決まるため、外部の障害物の影響を受けます。

したがって、窓外に見える建築物や樹木の有無にかかわらず、室中央の昼光率が一定になるという説明は誤りです。

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02

この問題は、日照・日射の調整、窓の形状による採光特性、水平面天空日射量と大気透過率の関係、および昼光率に対する周囲の環境の影響に関する正確な知識が問われています。

選択肢1. 窓面における日照・日射の調整のために設けるルーバーは、一般に、南向き窓面には水平のものが、西向き窓面には垂直のものが有効である。

〇

ルーバーは日射を遮るものであり、太陽高度が高くなる南面は水平ルーバー、太陽高度が低くなる東西面は垂直ルーバーが有効です。

選択肢2. 鉛直壁面の中心に設けられる同一面積の窓からの採光においては、横長窓より縦長窓のほうが、窓面の中心線上にある床面について、室の奥まで光が届く。

〇

窓の面積が同じ場合、横長窓よりも「縦長窓」のほうが床から天井近くまで開口部が伸びていることになります。天井に近い高い位置から入射する光は、室内の奥深くまで届きやすい性質があるため、縦長窓のほうが室の奥まで光を導くのに有利です。

選択肢3. 水平面天空日射量は、大気透過率が大きいほど、小さくなる。

〇

天空日射量とは、太陽から直接届く光ではなく、大気中にある水蒸気やチリ(空気分子や浮遊粒子)に光が反射・散乱され、空全体の全方位から地表に降り注ぐ日射のことです。

大気透過率とは、大気層(雲やチリ、水蒸気など)を太陽光がどれだけ透過しやすいかを表す割合です。

大気透過率が「大きい」ということは、雲や空気中のチリが少なく空気が澄んでいる状態を意味します。空気が澄んでいれば太陽光を反射・散乱する水蒸気やチリが無いため、水平面天空日射量は小さくなります。

選択肢4. 昼光率は、窓外に見える建築物や樹木の有無にかかわらず、室中央では一定の値となる。

×

昼光率とは「室内の照度 ÷ 全天空照度 × 100 [%]」で表される指標です。
窓の外に隣接建物や樹木などの障害物があると、天空光が遮られたり反射光の量が変化したりするため、室内の照度が変わり、昼光率の値も変化(低下)します。

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