一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問18 (学科1(計画) 問18)
問題文
四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問18(学科1(計画) 問18) (訂正依頼・報告はこちら)
四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」に照らして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
- 委託者は、受託者に書面をもって通知して、いつでも契約の全部又は一部を解除することができる。
- 委託者は、受託者に債務の不履行があった場合、委託者の責めに帰すべき事由によるときを除き、書面をもって相当の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときは、この契約の全部又は一部を解除することができる。
- 委託者は、受託者において暴力団員等が実質的に経営に関与していると認められるときは、所轄の警察に通報し、対処方法を協議したうえで契約を解除することができる。
- 委託者は、受託者が債務の一部の履行が不能であるとき又は債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、催告することなく、受託者に書面をもって通知し、この契約の一部を解除することができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
最も不適当なのは、「委託者は、受託者において暴力団員等が実質的に経営に関与していると認められるときは、所轄の警察に通報し、対処方法を協議したうえで契約を解除することができる。」です。
四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」では、受託者に暴力団等の関与が認められる場合、委託者は催告をせずに契約を解除できる仕組みになっています。警察への通報や、警察と対処方法を協議してからでなければ解除できない、という条件は定められていません。
なお、この問題の内容は2020年改正版の解除規定に沿ったものです。2024年版では約款本文に変更はなく、2026年6月版では約款が改正されていますが、暴力団等への対応について「警察への通報と協議を解除の前提とする」という規定にはなっていません。
この記述は適当です。
約款では、委託者は受託者に書面で通知することで、契約の全部または一部を解除できるとされています。これは、受託者に契約違反があった場合だけに限られるものではありません。
ただし、委託者の都合による解除によって受託者に損害が生じる場合には、一定の場合を除いて、委託者に損害賠償の義務が生じることがあります。
この記述は適当です。
受託者が契約上の義務を果たしていない場合、原則として委託者はすぐに契約を解除するのではなく、「一定の期間内にきちんと履行してください」と催告します。
それでも期間内に履行されなければ、契約の全部または一部を解除できます。約款には、この催告による解除の仕組みが定められています。
ただし、債務不履行の原因が委託者側にある場合には、この規定によって解除することはできません。また、不履行がごく軽いものである場合にも、原則として解除は認められません。
この記述は不適当です。
約款では、受託者について、暴力団または暴力団員等が経営に実質的に関与していると認められる場合などを、催告をせずに解除できる事由として定めています。
つまり、暴力団等の関与が認められたときに、
「まず所轄の警察へ通報する」
「警察と対処方法を協議する」
「その後に契約を解除する」
という手順を踏むことが、約款上の解除条件になっているわけではありません。
この選択肢は、「警察に通報し、対処方法を協議したうえで」という条件を付け加えている点が誤りです。
この記述は適当です。
債務の一部について、すでに履行することができなくなっている場合には、「履行してください」と催告しても意味がありません。
また、受託者が「その部分については履行しません」と明確に意思を示している場合も、あらためて履行を求めて待つ必要性は低くなります。
2020年改正版の第26条では、債務の一部の履行が不能である場合や、受託者がその債務の一部を履行しない意思を明確に示した場合について、催告をせず、書面による通知によって契約の一部を解除できることが定められていました。
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02
この問題は、四会連合協定「建築設計・監理等業務委託契約約款」における契約の解除規定について、委託者の任意解除権、債務不履行、ならびに暴力団員等の反社会的勢力排除条項に基づく解除手続きの正確なルールを問われています。
〇
委託者(発注者)は、理由の如何を問わず、受託者(設計者・監理者)へ書面で通知することにより、いつでも契約の全部または一部を解除することができます。背景として、建築の設計・監理業務は、委託者(施主)の信頼とニーズに基づいて行われる准委任・請負的性質を持つ業務です。施主が建築計画そのものをやめたい(または別の計画にしたい)と考えているのに、契約に縛られて無理やり設計を続けさせても誰の得にもならないからです。ただし、これまで行ってきた業務への報酬は適切に支払わなければなりません。
〇
受託者に債務不履行(業務の遅延や欠陥など)があった場合、委託者側の責めに帰すべき事由がない限り、書面にて相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行されないときは契約を解除できます。背景として、契約違反(債務不履行)があったからといって、いきなり契約を打ち切ってしまうと、受託者側に反省して挽回する機会(「少し遅れたけれど提出する」など)が一切与えられず、不利益が大きくなりすぎます。相当な期間を定めて催告をし、それでも履行されない場合に初めて解除できるというステップを踏ませています。
×
委託者は、受託者やその役員・実質的経営者が暴力団員等であると認められるときは、警察への通報や協議などの手続きを挟むことなく、直ちに(無催告で)書面で通知して契約を解除することができます。警察への通報や対処方法の協議を事前に要件とするような規定にはなっていません。背景として、暴力団等の反社会的勢力(属性排除)に関する条項は、治安や企業の社会的コンプライアンス、関係者の安全を守るための極めて緊急性の高い規定です。「警察に通報して協議する」というようなプロセスを義務付けると、その手続きを行っている間も契約関係が存続することになり、委託者が危険やリスクに晒され続けてしまいます。そのため、手続きや猶予(催告)を一切挟まず、「判明した瞬間に、書面通知のみで即座に契約を解除できる(無催告解除)」という強力な権利が与えられています。
〇
業務の一部の履行が不能である場合や、受託者が履行拒絶の意思を明確に表示した場合は、催告をすることなく、書面による通知をもって直ちにその一部を解除することができます。背景として、相手が「一部の業務はもう物理的に不可能です(履行不能)」あるいは「その業務は絶対にやりません(拒絶)」と明言しているので、催告(督促)するのは全く無意味な形式的作業になります。そのため、無駄な手続きを省いて速やかに被害や混乱を最小限に抑えられるよう、催告なしで直ちにその部分を解除できるようになっています。
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