一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問14 (学科1(計画) 問14)
問題文
商業施設等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問14(学科1(計画) 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
商業施設等の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 大規模複合施設における防災センターは、消防隊が屋外からアクセスしやすく、かつ、非常用エレベーターにアクセスしやすい位置に配置した。
- ビジネスホテルにおける車椅子使用者用客室のベッドサイドキャビネットは、床に固定し、高さをベッドのマットレス上面より高い位置となるようにした。
- 高層ホテルにおける非常用エレベーターは、その近くにリネン室等のサービス諸室を配置し、サービス用エレベーターとしても利用することとした。
- プロセニアムステージ形式の劇場における副舞台は、後舞台のほか、客席から見て主舞台の右側に上手側舞台、左側に下手側舞台を配置した。
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この過去問の解説 (2件)
01
最も不適当なのは、「ビジネスホテルにおける車椅子使用者用客室のベッドサイドキャビネットは、床に固定し、高さをベッドのマットレス上面より高い位置となるようにした。」です。
車椅子使用者用客室では、車椅子からベッドへ移りやすいように、室内の家具を動かして必要なスペースを確保できることが大切です。そのため、ベッドサイドキャビネットを床に固定することは避けます。
なお、「高さをベッドのマットレス上面より高くする」という部分は誤りではありません。国土交通省の建築設計標準では、ベッドサイドキャビネットはマットレス上面より10cm程度高くすることが望ましいとされています。問題となるのは「床に固定する」という部分です。
この記述は適当です。
防災センターは、火災などが起きたときに、建物全体の状況を確認したり、消防隊と連絡を取ったりする重要な場所です。
そのため、消防隊が建物の外から防災センターへすばやく到着できることが重要です。また、非常用エレベーターは火災時に消防隊が消火や救助活動に使うため、防災センターから利用しやすい位置にあることが望まれます。
消防庁の調査でも、非常用エレベーターを防災センターの近くに設けることや、外部からの進入口との関係を考えて配置することが消防活動上重要であることが示されています。
したがって、消防隊が屋外から入りやすく、非常用エレベーターにもアクセスしやすい位置に防災センターを配置する計画は適切です。
この記述は不適当です。
車椅子使用者用客室では、車椅子からベッドへ移るためのスペースや、車椅子が向きを変えるためのスペースを確保する必要があります。そのため、必要に応じて家具の位置を変えられるようにしておくことが大切です。
国土交通省の建築設計標準では、客室内のレイアウトを変更できるように、ベッドサイドキャビネットを床に固定することは避けるとされています。
一方、高さについては、マットレス上面より10cm程度高くすることが望ましいとされています。つまり、この選択肢では「高さをマットレス上面より高くしたこと」ではなく、「床に固定したこと」が問題です。
この記述は適当です。
非常用エレベーターは、火災時には消防隊が消火や救助活動を行うために使用する設備ですが、平常時まで使用できないわけではありません。平常時には、通常の乗用エレベーターやサービス用エレベーターとして使うことができます。消防庁の調査でも、非常用エレベーターを日常的に建物関係者が使用している事例が確認されています。
ホテルでは、リネン類、清掃用具、備品などを各階へ運ぶ必要があります。そのため、非常用エレベーターを平常時にはサービス用として利用し、その近くにリネン室などをまとめると、従業員の作業動線を短くできます。
火災などが発生したときには、非常用エレベーターとして消防活動に使用できるように切り替えて運用します。
この記述は適当です。
プロセニアムステージは、客席と舞台との間に額縁のような開口部がある、一般的な劇場の舞台形式です。主舞台の後ろには後舞台、左右には側舞台を設けることがあります。
舞台では、客席から舞台を見たときの右側を「上手」、左側を「下手」と呼びます。日本芸術文化振興会の舞台解説でも、この位置関係が示されています。
したがって、客席から見て主舞台の右側に上手側舞台、左側に下手側舞台を配置する説明は適切です。
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02
この問題は、大規模複合施設における防災施設の配置計画、ホテルのバリアフリー計画やサービス諸室の動線計画、および劇場の舞台構成や用語に関する建築計画上の適切な知識・配慮について問われています
〇
防災センター(中央管理室)とは、空気調和設備の制御及び作動状態の監視など、建物や建築設備などを集中的に管理する室であり、避難階及びその上下階に設置をすることが定められています。
災害時に消防隊との連携を取る必要があり、館内の縦移動や避難経路として重要な非常用エレベーターにアクセスしやすい位置とするのが適切です。
×
車椅子使用者用客室のベッドサイドキャビネットは、可動式とするのが望ましいです。ベッドの横のスペースは非常に重要で、車椅子からベッドへ、あるいはベッドから車椅子へ移乗する際、キャビネットを床に固定してしまうと、利用者の障害の程度や利き腕、車椅子の接岸角度に合わせて位置を微調整することが不可能になるため、固定式は避けるべきです。
〇
非常用エレベーターは災害時は消防隊が使用しますが、平常時は使用していても問題ありません。そのため、従業員のサービス用エレベーターとして使用し、近くにリネン室などのサービス諸室を配置する計画は非常に合理的です。
〇
プロセニアムステージとは、舞台と客席の間に「プロセニアム・アーチ(額縁状の構造物)」を設置し、観客が額縁の中の絵画を見るように一方向から舞台を鑑賞する形式の劇場・ステージです。舞台用語として「上手(かみて)」は客席から見て右側、「下手(しもて)」は客席から見て左側です。身分の高い人が舞台の右側に配置されていたことに由来するそうですが、覚えにくいので、例えば舞台にいる司会者の位置をイメージするとだいたい左端にいるのではないかと思います。そしてゲストが中央にいるということで、司会者(身分低い)が左側(下手)でゲスト(身分高い)が中央(上手寄り)と覚えられたらいいのではないかと思います。
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