一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問10 (学科1(計画) 問10)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問10(学科1(計画) 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

各種の法令に基づく、都市計画やまちづくりに関する用語の説明として、最も不適当なものは、次のうちどれか。
  • 都市計画法に基づく「特例容積率適用地区」とは、都市機能の更新や、優れた都市空間の形成・保全を図ることを目的に、都市計画法と建築基準法による制度の一部を適用せず、街区単位に都市計画を定め、建築物等を個々に認定するものである。
  • 都市再生特別措置法に基づく「立地適正化計画」とは、都市のコンパクト化を推進するために、市街化区域の中に福祉・医療・商業等の都市機能を誘導する区域と、居住を誘導し人口密度を維持する区域をそれぞれ設定するものである。
  • 景観法に基づく「景観計画」とは、景観に関するまちづくりを進めるために、景観計画の区域、良好な景観形成のための行為の制限に関する事項、景観重要建造物又は景観重要樹木の指定方針等を定めるものである。
  • 文化財保護法に基づく「登録有形文化財登録基準」の建造物の部では、原則として、建設後50年を経過し、かつ、一定の基準に該当する建築物、土木構造物及びその他の工作物が、文化財登録原簿への登録の対象となる。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なものは、都市計画法に基づく「特例容積率適用地区」とは、都市機能の更新や、優れた都市空間の形成・保全を図ることを目的に、都市計画法と建築基準法による制度の一部を適用せず、街区単位に都市計画を定め、建築物等を個々に認定するものであるです。

この説明は、特例容積率適用地区ではなく、主に特定街区の説明に近い内容です。特例容積率適用地区は、使い切れていない容積率を活用し、土地の高度利用を図るための地区です。都市計画法でも、未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図る地区とされています。

 

選択肢1. 都市計画法に基づく「特例容積率適用地区」とは、都市機能の更新や、優れた都市空間の形成・保全を図ることを目的に、都市計画法と建築基準法による制度の一部を適用せず、街区単位に都市計画を定め、建築物等を個々に認定するものである。

これは不適当です。

特例容積率適用地区は、同じ地区内で、使い切れていない容積率を活用しやすくするための制度です。たとえば、ある敷地で余っている容積を、別の敷地で使えるようにして、土地を有効に使う考え方です。

一方、この選択肢の「都市機能の更新」「優れた都市空間の形成・保全」「街区単位に都市計画を定める」といった説明は、特定街区の説明に近いです。特定街区は、街区を単位として建築計画を都市計画に定め、一般的な建築形態の規制に置き換える制度と説明されています。

そのため、この記述が最も不適当です。

選択肢2. 都市再生特別措置法に基づく「立地適正化計画」とは、都市のコンパクト化を推進するために、市街化区域の中に福祉・医療・商業等の都市機能を誘導する区域と、居住を誘導し人口密度を維持する区域をそれぞれ設定するものである。

これは適当です。

立地適正化計画は、人口が減っても生活に必要なサービスを使いやすくするため、まちをまとまりのある形にしていく計画です。

この計画では、医療、福祉、商業などを集めていく都市機能誘導区域と、住む場所を誘導して人口密度を保つ居住誘導区域を定めます。国土交通省も、立地適正化計画を、居住機能や医療・福祉・商業などの都市機能の誘導により、持続可能な都市構造を目指す計画として説明しています。

 

選択肢3. 景観法に基づく「景観計画」とは、景観に関するまちづくりを進めるために、景観計画の区域、良好な景観形成のための行為の制限に関する事項、景観重要建造物又は景観重要樹木の指定方針等を定めるものである。

これは適当です。

景観計画は、まちの景観を守り、良くしていくための計画です。

景観計画では、どの区域を対象にするか、建物の形や色などについてどのような行為を制限するか、景観上大切な建造物や樹木をどう指定するかなどを定めます。景観法でも、景観計画には景観計画区域、良好な景観形成のための行為の制限、景観重要建造物や景観重要樹木の指定方針などを定めることが示されています。

選択肢4. 文化財保護法に基づく「登録有形文化財登録基準」の建造物の部では、原則として、建設後50年を経過し、かつ、一定の基準に該当する建築物、土木構造物及びその他の工作物が、文化財登録原簿への登録の対象となる。

これは適当です。

登録有形文化財は、残していく価値のある建物などを、ゆるやかに保護して活用していく制度です。

建造物の登録では、原則として建設後50年を経過していることが一つの目安になります。そのうえで、歴史的な価値、地域の特色、造形のよさなど、一定の基準に当てはまるものが対象になります。文化庁の資料でも、建造物は原則として建設後50年を経過し、一定の基準に該当するものが登録対象とされています。

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02

この問題は建築に密接に関係する法律の主要な制度の正確な定義や指定要件を把握しているかを問われています。

選択肢1. 都市計画法に基づく「特例容積率適用地区」とは、都市機能の更新や、優れた都市空間の形成・保全を図ることを目的に、都市計画法と建築基準法による制度の一部を適用せず、街区単位に都市計画を定め、建築物等を個々に認定するものである。

×

「特例容積率適用地区」とは、指定された地区内において未利用となっている容積率の移転・売買を認める制度です(歴史的建造物の保全や、東京駅周辺の空中権移転などで活用されています)。指定地区内の建築物で使い切っていない容積率を他の敷地へ移転・合算することで、地区全体としての有効活用を図ります。問題文にある「都市計画法や建築基準法による制度の一部を適用せず、街区単位に定めて個々に認定する」という説明は、「特定街区」や「再開発等促進区」などの別の都市計画制度に関するものであるため、不適切です。

選択肢2. 都市再生特別措置法に基づく「立地適正化計画」とは、都市のコンパクト化を推進するために、市街化区域の中に福祉・医療・商業等の都市機能を誘導する区域と、居住を誘導し人口密度を維持する区域をそれぞれ設定するものである。

〇

「立地適正化計画」は、居住機能や都市機能(医療・福祉・商業等)の誘導を図り、コンパクトシティ(コンパクト+ネットワーク)を推進するための計画です。人口減少・超高齢化社会において、市街地が拡散したままだと高齢者の買い物・通院が困難になり、インフラ維持等の行政コストも増大するため、街を合理的・コンパクトに再編します。市街化区域内に「都市機能誘導区域(街の中心)」と「居住誘導区域(住むエリア)」を設定します。

選択肢3. 景観法に基づく「景観計画」とは、景観に関するまちづくりを進めるために、景観計画の区域、良好な景観形成のための行為の制限に関する事項、景観重要建造物又は景観重要樹木の指定方針等を定めるものである。

〇

「景観計画」は、景観計画区域の設定、建築行為等の制限(デザイン・色彩・高さなどの景観形成基準)、景観重要建造物・樹木の指定方針などを定める基本計画です。従来の建築基準法等ではコントロールが困難だった建物の色やデザイン、街並みの統一感を維持・形成するため、地域独自の景観ルールとして定められるものです。

選択肢4. 文化財保護法に基づく「登録有形文化財登録基準」の建造物の部では、原則として、建設後50年を経過し、かつ、一定の基準に該当する建築物、土木構造物及びその他の工作物が、文化財登録原簿への登録の対象となる。

〇

「登録有形文化財」は、歴史的価値のある建造物を「緩やかな規制(届出制)」で保存し、利活用を図る制度です(厳格な許可制となる「指定文化財」とは異なります)。原則として建設後50年を経過したもののうち、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」「造形の規範となっているもの」「再現することが容易でないもの」などの基準に該当するものが文化財登録原簿に登録されます。

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