一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問6 (学科1(計画) 問6)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問6(学科1(計画) 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

環境に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • パッシブデザインは、建築的な工夫によって、風、太陽の光や熱の利用、太陽光発電等の自然エネルギーの活用により機械への依存を最小限にすることで、快適な室内環境をつくり出す設計手法である。
  • 自然通風は、効果的に室内に屋外の風を取り込めるよう、建設地や周辺環境における夏期及び中間期の卓越風の方向を確認し、風下開口を風上開口よりも大きくするとよい。
  • 昼光利用は、人工照明の消費エネルギー削減に寄与するだけでなく、災害時の光源としての活用、快適性の向上、健康増進等が期待される。
  • 緑化は、植物の蒸散作用によるクールアイランドの形成、地表面の植物被覆による熱放射の抑制等の効果があるが、灌水(かんすい)のための水資源の確保や維持管理等の計画が必要である。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なものは、パッシブデザインは、建築的な工夫によって、風、太陽の光や熱の利用、太陽光発電等の自然エネルギーの活用により機械への依存を最小限にすることで、快適な室内環境をつくり出す設計手法であるです。

パッシブデザインは、建物の形、窓の配置、庇、断熱、通風などを工夫して、太陽の光や熱、風などをうまく使う考え方です。できるだけ機械に頼らず、自然の力を利用して快適な室内環境をつくります。ただし、太陽光発電は設備を使って電気をつくる仕組みであり、一般にパッシブデザインではなく、アクティブな技術として扱われます。

選択肢1. パッシブデザインは、建築的な工夫によって、風、太陽の光や熱の利用、太陽光発電等の自然エネルギーの活用により機械への依存を最小限にすることで、快適な室内環境をつくり出す設計手法である。

これは不適当です。

パッシブデザインでは、自然の風を通したり、太陽の光を取り入れたり、冬に太陽の熱を利用したり、夏の日射を遮ったりします。

つまり、建物そのものの工夫によって、冷暖房や照明などの機械への依存を減らす考え方です。

しかし、太陽光発電は、太陽の光を電気に変える設備を使うものです。自然エネルギーの活用ではありますが、建物のつくりだけで快適性を高めるパッシブデザインとは性質が異なります。

そのため、「太陽光発電等」をパッシブデザインの内容としている点が不適当です。

選択肢2. 自然通風は、効果的に室内に屋外の風を取り込めるよう、建設地や周辺環境における夏期及び中間期の卓越風の方向を確認し、風下開口を風上開口よりも大きくするとよい。

これは適当です。

自然通風は、機械を使わずに外の風を室内に取り入れる方法です。

そのためには、その土地でどの方向から風が吹きやすいかを確認することが大切です。特に、夏期や中間期にどの方向から風が入りやすいかを考えて、窓などの開口部を計画します。

また、風上側から風を入れ、風下側から風を抜くようにすると、空気が流れやすくなります。風下側の開口を大きくすることも、風を外へ逃がしやすくする工夫として適切です。

選択肢3. 昼光利用は、人工照明の消費エネルギー削減に寄与するだけでなく、災害時の光源としての活用、快適性の向上、健康増進等が期待される。

これは適当です。

昼光利用とは、太陽の光を室内に取り入れて、明るさを確保する方法です。

昼間に自然光をうまく使えば、照明をつける時間を減らせるため、人工照明の消費エネルギー削減につながります。

また、自然光が入る空間は明るく感じられ、快適性の向上にも役立ちます。災害時に停電した場合でも、昼間であれば自然光が室内の明かりとして役立つことがあります。

選択肢4. 緑化は、植物の蒸散作用によるクールアイランドの形成、地表面の植物被覆による熱放射の抑制等の効果があるが、灌水(かんすい)のための水資源の確保や維持管理等の計画が必要である。

これは適当です。

緑化には、建物や周囲の温度上昇をやわらげる効果があります。

植物は水分を蒸散させるため、周囲の熱をやわらげます。また、地表面を植物で覆うことで、地面からの強い熱の放射を抑えることもできます。

ただし、緑化は植えれば終わりではありません。植物を育てるためには、水の確保や、剪定、清掃、枯れた部分の手入れなどの維持管理が必要です。そのため、計画段階から管理方法まで考えておくことが大切です。

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02

この問題は、環境に配慮した建築物の計画における基本的な設計手法や、それぞれの環境工学的効果を正確に理解しているかを問われています。

選択肢1. パッシブデザインは、建築的な工夫によって、風、太陽の光や熱の利用、太陽光発電等の自然エネルギーの活用により機械への依存を最小限にすることで、快適な室内環境をつくり出す設計手法である。

×

パッシブデザインは機械や電力に頼らずに自然の摂理によって室内環境を調整する計画です。パッシブ(Passive)とは「受動的な」という意味で、自らは積極的に動かず自然の力のみで調整を行います。それに対してアクティブデザインは機械や電力に頼ってアクティブ(active)「積極的」に室内環境を調整します。問題文にある「太陽光発電」は機械への依存を最小限にと書いていますが、結局のところ機械を使っているのでパッシブデザインとは言えません。
 

選択肢2. 自然通風は、効果的に室内に屋外の風を取り込めるよう、建設地や周辺環境における夏期及び中間期の卓越風の方向を確認し、風下開口を風上開口よりも大きくするとよい。

〇

開口部は小さく絞るほど空気の流速が上がり、大きくするほど流れの抵抗が減る性質があります(ホースの先を絞ると水の勢いが強くなるのと同様の原理です)。そのため、自然通風では「風上側(流入側)を小さく」して室内に勢いのある風を引き込み、「風下側(流出側)を大きく」して空気を詰まりにくく(スムーズに排出)させることが効果的です。
 

選択肢3. 昼光利用は、人工照明の消費エネルギー削減に寄与するだけでなく、災害時の光源としての活用、快適性の向上、健康増進等が期待される。

〇

昼光利用とは、直射日光や天空光を開口部から取り入れる計画です。日中の人工照明にかかる消費エネルギーを削減できるだけでなく、停電などの災害時には非常用の光源としても機能します。また、自然光を感じることで人の「サーカディアンリズム(体内時計)」が整い、健康増進や快適性の向上にもつながります。
 

選択肢4. 緑化は、植物の蒸散作用によるクールアイランドの形成、地表面の植物被覆による熱放射の抑制等の効果があるが、灌水(かんすい)のための水資源の確保や維持管理等の計画が必要である。

〇

屋上緑化や壁面緑化は、植物の蒸散作用や日射遮蔽によるヒートアイランド対策(熱放射の抑制)として有効です。ただし、持続的に効果を維持するためには、定期的な水やり(灌水)のための設備や水資源の確保、剪定などの維持管理をあらかじめ計画しておく必要があります。

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