一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問5 (学科1(計画) 問5)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問5(学科1(計画) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

木造建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木造軸組構法の一戸建て住宅において、柱に天然乾燥処理によるスギ製材を用いるに当たり、心去り材に比べて乾燥時間が短く、干割れしにくい心持ち材とした。
  • 木造の体育館において、木造の梁を露出させるデザインとするため、床面から梁までの高さを十分に確保するとともに、高い位置に大きな開口部を設けるなどして耐火性能検証法を用いる計画とした。
  • 木造軸組構法の一戸建て住宅において、長期優良住宅の普及の促進に関する法律における「長期優良住宅」の認定を取得するため、床下点検口を設けるとともに、床下空間の有効高さ330mmを確保した。
  • 木造平家建ての保育園において、構造材の入手性や費用を考慮し、120mm角の柱や、断面の幅が120mmの梁等の一般流通材を用いた。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なのは、「木造軸組構法の一戸建て住宅において、柱に天然乾燥処理によるスギ製材を用いるに当たり、心去り材に比べて乾燥時間が短く、干割れしにくい心持ち材とした。」です。

心持ち材は、木の中心部分を含んだ材料です。柱などに多く使われますが、乾燥するときに割れが出やすい特徴があります。一方、心去り材は木の中心部分を外して取った材料で、心持ち材に比べて割れが起こりにくいとされます。そのため、「心持ち材は心去り材に比べて干割れしにくい」という説明は不適当です。

選択肢1. 木造軸組構法の一戸建て住宅において、柱に天然乾燥処理によるスギ製材を用いるに当たり、心去り材に比べて乾燥時間が短く、干割れしにくい心持ち材とした。

これは不適当です。

心持ち材は、木の中心部分を含む材料です。木の中心部分を含むため、乾燥のときに表面に割れが出やすくなります。この割れを干割れといいます。

一方、心去り材は木の中心部分を外して取った材料です。心持ち材に比べて、割れや反りが出にくいと考えられます。

したがって、心持ち材について「心去り材に比べて乾燥時間が短く、干割れしにくい」とする説明は適切ではありません。ここでは、心持ち材と心去り材の特徴が逆になっています。

選択肢2. 木造の体育館において、木造の梁を露出させるデザインとするため、床面から梁までの高さを十分に確保するとともに、高い位置に大きな開口部を設けるなどして耐火性能検証法を用いる計画とした。

これは適当です。

木造の梁を室内に見せるデザインを現しといいます。木材を現しにすると、あたたかみのある空間になりますが、火災時の安全性をきちんと確認する必要があります。

体育館のように天井が高く、梁が床から十分に離れている場合は、火災時に梁がどの程度熱を受けるかを検討しやすくなります。また、高い位置に大きな開口部を設けることで、熱や煙の状態を考えた計画ができます。

そのため、耐火性能検証法を用いて安全性を確認する計画は適切です。

選択肢3. 木造軸組構法の一戸建て住宅において、長期優良住宅の普及の促進に関する法律における「長期優良住宅」の認定を取得するため、床下点検口を設けるとともに、床下空間の有効高さ330mmを確保した。

これは適当です。

長期優良住宅は、長く良い状態で住み続けられるように計画された住宅です。そのため、建てた後に点検や修理をしやすいことが大切です。

床下に点検口を設けると、配管や土台などの状態を確認しやすくなります。また、床下空間の有効高さを330mm確保することで、点検や維持管理がしやすくなります。

したがって、床下点検口を設け、床下空間の有効高さ330mmを確保することは適切です。

選択肢4. 木造平家建ての保育園において、構造材の入手性や費用を考慮し、120mm角の柱や、断面の幅が120mmの梁等の一般流通材を用いた。

これは適当です。

一般流通材とは、市場に多く出回っていて、比較的入手しやすい木材のことです。120mm角の柱や、幅120mmの梁は、木造建築で使いやすい寸法の一つです。

保育園のような建物でも、平家建てで計画し、構造上必要な強さを満たすようにすれば、一般流通材を活用できます。一般流通材を使うことで、材料を確保しやすくなり、費用を抑えやすくなります。

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02

この問題は、木造建築物の計画や実務において用いられる「材料の特性」「耐火性能」「長期優良住宅」「構造材選定」を正確に把握しているかを問われています。

選択肢1. 木造軸組構法の一戸建て住宅において、柱に天然乾燥処理によるスギ製材を用いるに当たり、心去り材に比べて乾燥時間が短く、干割れしにくい心持ち材とした。

×

木製の材料における「心持ち材」と「心去り材」についてです。心持ち材とは丸太状の木を加工していく際に、年輪の中心部を使った材料です。それに対して心去り材は年輪の中心部を使わない材料です。心持ち材は、強度が高いが中心と外側の乾燥収縮率の違いから干割れ(ひわれ)しやすいです。心去り材は、心持ち材に比べて強度は低いですが干割れしにくいです。

選択肢2. 木造の体育館において、木造の梁を露出させるデザインとするため、床面から梁までの高さを十分に確保するとともに、高い位置に大きな開口部を設けるなどして耐火性能検証法を用いる計画とした。

〇

木造の梁を露出させる場合、火災の影響を受けるのである程度の条件が必要になります。問題文にある耐火性能検証法により、天井を高くし窓を大きく設計して熱を逃がす仕組みを作ることと、表面が燃えても平気なようにあらかじめ太い木材を使用し、保有耐火時間を長くするといった対応が必要です。

選択肢3. 木造軸組構法の一戸建て住宅において、長期優良住宅の普及の促進に関する法律における「長期優良住宅」の認定を取得するため、床下点検口を設けるとともに、床下空間の有効高さ330mmを確保した。

〇

長期優良住宅とは、「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に基づき、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられていると行政から認定された住宅のことです。この法律の平成21年国土交通省告示第209号第3の1に「構造躯体の劣化対策」とあり、区分された床下空間ごとに点検口を設けること、床下空間の有効高さを330mm以上とすること、が書かれています。

選択肢4. 木造平家建ての保育園において、構造材の入手性や費用を考慮し、120mm角の柱や、断面の幅が120mmの梁等の一般流通材を用いた。

〇

一般流通材とは、規格の決まった材料を大量生産し、広く市場に流通している製材です。柱なら105mm角と120mm角、梁なら幅が105mmと120mmで梁せいは150mm~450mmが一般的です。問題文において平屋建ての保育園で120mmの一般流通材を用いることは、施工性や経済性などを考慮し、合理的な計画だと言えます。

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