一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問3 (学科1(計画) 問3)
問題文
西洋の歴史的建築物(設計者、所在地)とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問3(学科1(計画) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
西洋の歴史的建築物(設計者、所在地)とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
- ロビー邸(フランク・ロイド・ライト、アメリカ) ―― 外観において煙突が垂直性を見せる一方で、軒を深く出して水平線を強調し、アメリカの草原地帯と融和するようなプレーリー・ハウス(草原住宅)の代表例となった。
- シュレーダー邸(ヘリット・トーマス・リートフェルト、オランダ) ―― ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面の五つの要素を採り入れることで、デ・ステイルの造形原理を具現化した。
- デッサウのバウハウス校舎(ヴァルター・グロピウス、ドイツ) ―― 工房、教室、寮といった異なる機能をもつ直方体状の棟を非対称に配置し、ファサードでは新技術であるガラスのカーテンウォールを実現させた。
- バルセロナ・パヴィリオン(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、スペイン) ―― 屋根スラブを支える鉄骨柱の間に大理石等の非構造壁を配置し、ガラスで内外の空間の関係を曖昧にすることで、基壇と屋根の間に開放的で自由度の高い空間をつくり出した。
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この過去問の解説 (2件)
01
最も不適当なのは、「シュレーダー邸(ヘリット・トーマス・リートフェルト、オランダ)――ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面の五つの要素を採り入れることで、デ・ステイルの造形原理を具現化した。」です。
シュレーダー邸は、オランダの建築家ヘリット・トーマス・リートフェルトによる住宅で、デ・ステイルの考え方をよく表した建築物です。しかし、選択肢にあるピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面は、主にル・コルビュジエが示した近代建築の五原則です。そのため、この説明は建築物と特徴の組合せが不適当です。
これは適当です。
ロビー邸は、フランク・ロイド・ライトによるプレーリー・ハウスの代表例です。
プレーリー・ハウスでは、広い草原に合うように、建物を横に広がるように見せることが重視されました。深い軒や水平に伸びる形が特徴です。
一方で、煙突などは縦方向の強さを見せる部分になります。水平性と垂直性を組み合わせながら、周囲の環境となじむように計画されています。
これは不適当です。
シュレーダー邸は、デ・ステイルの考え方を表した住宅として知られています。デ・ステイルでは、水平線や垂直線、単純な形、赤・青・黄などの色を使い、抽象的で明快な構成を目指しました。
しかし、選択肢にあるピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面は、ル・コルビュジエの近代建築の五原則として知られる内容です。
つまり、シュレーダー邸がデ・ステイルを代表する建築である点は合っていますが、その説明にル・コルビュジエの考え方をあてはめているため、不適当です。
これは適当です。
デッサウのバウハウス校舎は、ヴァルター・グロピウスによる近代建築の代表例です。
工房、教室、寮など、使い方の違う部分をそれぞれの形に分けて配置しています。また、外観には大きなガラス面が使われ、明るく開放的な印象をつくっています。
機能に合わせて建物を組み立てる考え方が、近代建築らしい特徴です。
れは適当です。
バルセロナ・パヴィリオンは、ミース・ファン・デル・ローエによる近代建築の代表例です。
屋根を細い柱で支え、壁は建物を支えるためだけではなく、空間をゆるやかに区切る役割をもっています。大理石やガラスなどを使うことで、内と外がつながるような、開放的な空間がつくられています。
「少ない要素で美しい空間をつくる」という近代建築の考え方がよく表れています。
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02
この問題は、西洋の近代建築物における設計者とその概念・建築的特徴の組み合わせを問われています。
〇
ロビー邸(フランク・ロイド・ライト、アメリカ)は、プレーリー・ハウス(草原住宅)の代表作です。プレーリー・ハウスとは、広大な草原に溶け込むように建物の高さを低く抑え、深い軒や水平ラインを強調したデザインが特徴です。
×
シュレーダー邸(ヘリット・トーマス・リートフェルト、オランダ)は、造形運動「デ・ステイル」の代表作です。デ・ステイルとは、曲線や斜面を用いず水平線と垂直線のみで構成し、装飾を排除して機能美を追求した考え方です。なお、問題文にある「ピロティ・屋上庭園・自由な平面・水平連続窓・自由な立面」の5要素は、ル・コルビュジエが提唱した「近代建築の五原則」(代表作:サヴォア邸など)であり、デ・ステイルの解説ではありません。
〇
デッサウのバウハウス校舎(ヴァルター・グロピウス、ドイツ)は、モダニズム建築の原点とされる建物です。機能性を重視して工房・教室・寮などの各棟を非対称に配置し、ファサードには新技術であるガラスのカーテンウォールを採用して内部に光があふれる構造を実現しました。
〇
バルセロナ・パヴィリオン(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ、スペイン)は、モダニズム建築の代表作です。8本の十字形断面の鉄骨柱が水平な薄い屋根を支え、贅沢な高級大理石などの独立壁を配置することで空間を完全に途絶させず、内外の境界を曖昧にした開放的で自由度の高い空間をつくり出しました。
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