一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問2 (学科1(計画) 問2)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問2(学科1(計画) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

日本の歴史的建築物(所在地)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 円覚寺舎利殿(神奈川県)は、垂木を扇垂木とし、組物を柱の上のみならず柱と柱の間にも組んで詰組とした禅宗様の建築物である。
  • 石山寺多宝塔(滋賀県)は、円形平面の塔身の上に宝形の屋根をのせ、塔身の周囲に方形の裳階(もこし)を付した現存最古とされる多宝塔の建築物である。
  • 平等院鳳凰(ほうおう)堂(京都府)は、中央に阿弥陀(あみだ)堂としての中堂、左右に翼廊、背部に尾廊を設け、池の中島に建つ、浄土を具現したような平安時代の建築物である。
  • 薬師寺東塔(奈良県)は、上層に行くほど大きさを逓減した五重塔で、雲斗雲肘木が軒を支え、卍崩し等の装飾がみられる飛鳥様式の建築物である。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なものは、薬師寺東塔は、上層に行くほど大きさを逓減した五重塔で、雲斗雲肘木が軒を支え、卍崩し等の装飾がみられる飛鳥様式の建築物であるです。

薬師寺東塔は、屋根が六重に見えるため大きな塔に見えますが、実際には三重塔です。各重に裳階という飾りのような屋根が付いているため、六重に見えます。したがって、「五重塔」としている点が誤りです。文化遺産オンラインでも、薬師寺東塔は三重塔であるが、各重に裳階を付けるため屋根は六重に見えると説明されています。

選択肢1. 円覚寺舎利殿(神奈川県)は、垂木を扇垂木とし、組物を柱の上のみならず柱と柱の間にも組んで詰組とした禅宗様の建築物である。

これは適当です。

円覚寺舎利殿は、禅宗様の代表的な建築物です。禅宗様は、中国から伝わった建築様式をもとにした寺院建築の形式です。

垂木が扇の骨のように広がる扇垂木や、柱の上だけでなく柱と柱の間にも組物を細かく置く詰組が特徴です。国指定文化財等データベースでも、円覚寺舎利殿は詰組や扇垂木をもつ禅宗様仏殿の典型とされています。

 

選択肢2. 石山寺多宝塔(滋賀県)は、円形平面の塔身の上に宝形の屋根をのせ、塔身の周囲に方形の裳階(もこし)を付した現存最古とされる多宝塔の建築物である。

これは適当です。

石山寺多宝塔は、現存最古とされる多宝塔です。

多宝塔は、下の部分が方形、上の部分が円形に見える特徴的な形をしています。石山寺の説明でも、上層は円形、下層は方形平面の二重の塔で、最古の多宝塔として知られているとされています。

 

選択肢3. 平等院鳳凰(ほうおう)堂(京都府)は、中央に阿弥陀(あみだ)堂としての中堂、左右に翼廊、背部に尾廊を設け、池の中島に建つ、浄土を具現したような平安時代の建築物である。

これは適当です。

平等院鳳凰堂は、中央の中堂、左右の翼廊、背後の尾廊からなる建築物です。池の中島に建てられており、極楽浄土の世界をこの世に表したような建物として知られています。

平等院の案内でも、鳳凰堂は中堂、左右の翼廊、背後の尾廊からなる建物で、極楽浄土の宮殿をモデルにしたものと説明されています。

選択肢4. 薬師寺東塔(奈良県)は、上層に行くほど大きさを逓減した五重塔で、雲斗雲肘木が軒を支え、卍崩し等の装飾がみられる飛鳥様式の建築物である。

これは不適当です。

薬師寺東塔は、五重塔ではなく三重塔です。各重に裳階が付いているため、見た目には六重の塔のように見えますが、構造としては三重塔です。

また、薬師寺東塔は薬師寺を代表する奈良時代の建築であり、「飛鳥様式の五重塔」とする説明は適切ではありません。飛鳥様式の五重塔としては、法隆寺五重塔などを思い浮かべると区別しやすいです。

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02

この問題は、日本の歴史的建造物である仏教建築の時代・様式(意匠)について問われています。

選択肢1. 円覚寺舎利殿(神奈川県)は、垂木を扇垂木とし、組物を柱の上のみならず柱と柱の間にも組んで詰組とした禅宗様の建築物である。

〇

円覚寺舎利殿(神奈川県)は、禅宗様(唐様)の代表的な建物です。禅宗様は曲線が多く、繊細な装飾が特徴として挙げられます。詰組(つめぐみ)とは柱と柱の間に密に配置されている組物で、軒下が華やかに見えます。また扇垂木(おうぎたるき)とは、屋根の軒先の垂木が建物の角に向かって扇状に広がるように配置されている構造です。円覚寺舎利殿以外の禅宗様の建築物として、功山寺仏殿(山口県)、善福院釈迦堂(和歌山県)などがあります。

選択肢2. 石山寺多宝塔(滋賀県)は、円形平面の塔身の上に宝形の屋根をのせ、塔身の周囲に方形の裳階(もこし)を付した現存最古とされる多宝塔の建築物である。

〇

石山寺多宝塔(滋賀県)は、現存最古とされる多宝塔で源頼朝の寄進によって建てられたと伝えられています。多宝塔とは、下層が方形(四角形)で上層が円筒形の二重の塔で、屋根は宝形造となっています。なお、下層部分の屋根は裳階(もこし)にあたります。

選択肢3. 平等院鳳凰(ほうおう)堂(京都府)は、中央に阿弥陀(あみだ)堂としての中堂、左右に翼廊、背部に尾廊を設け、池の中島に建つ、浄土を具現したような平安時代の建築物である。

〇

平等院鳳凰堂(京都府)は、平安時代後期に藤原頼通によって建てられた寝殿造風の建物です。配置としては、池の中島に建てられ中央に「中堂」、その両側に「翼廊」、背部に「尾廊」を設けています。当初は阿弥陀堂という名で建てられましたが、平面の形状や屋根の上に鳳凰が据えられていることから、後に「鳳凰堂」と呼ばれるようになりました。

選択肢4. 薬師寺東塔(奈良県)は、上層に行くほど大きさを逓減した五重塔で、雲斗雲肘木が軒を支え、卍崩し等の装飾がみられる飛鳥様式の建築物である。

×

薬師寺東塔(奈良県)は、奈良時代(白鳳文化)を代表する木造の三重塔です。見た目だと屋根が6つあり六重塔のように見えますが、各層ごとに裳階(もこし)があるので正確には三重塔です。また問題文にある「雲斗雲肘木(くもとくもひじき)」とは雲の形をした斗と肘木を合わせた組物で、「卍崩し(まんじくずし)」とは卍の字を斜めに崩して連続で繋げた伝統的な文様・装飾であり、これらは飛鳥時代の法隆寺に見られる特徴です。

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