一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問80 (学科4(構造) 問10)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問80(学科4(構造) 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

木造軸組工法による地上2階建ての建築物において、「木造の建築物の軸組の構造方法及び設置の基準を定める件(昭和56年建設省告示第1100号)」第4(いわゆる四分割法)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 建築物の平面を分割する1/4の線上に耐力壁の中心線があったので、当該壁を側端部分の存在壁量に算入した。
  • 壁量充足率の算定において、側端部分は、建築物の張り間方向にあっては桁行方向の、桁行方向にあっては張り間方向の両端から1/4の部分とした。
  • 各階の張り間方向及び桁行方向のそれぞれについて、「壁量充足率の小さいほう」を「壁量充足率の大きいほう」で除して壁率比を求めた。
  • 検討する方向の各側端部分の壁量充足率がそれぞれ0.4及び1.2であったので、当該階のその方向については、偏心率の確認を行わず、壁率比の規定を満足すると判断した。

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この過去問の解説 (2件)

01

木造軸組工法による地上2階建ての建築物における四分割法に関する問題です。

選択肢1. 建築物の平面を分割する1/4の線上に耐力壁の中心線があったので、当該壁を側端部分の存在壁量に算入した。

正しいです。

分割する線上に配置された耐力壁は存在壁量に算入します。

選択肢2. 壁量充足率の算定において、側端部分は、建築物の張り間方向にあっては桁行方向の、桁行方向にあっては張り間方向の両端から1/4の部分とした。

正しいです。

壁量充足率の算定にかかる部分はそれぞれ求めたい方向と直交する両端の壁から1/4の位置とします。

選択肢3. 各階の張り間方向及び桁行方向のそれぞれについて、「壁量充足率の小さいほう」を「壁量充足率の大きいほう」で除して壁率比を求めた。

正しいです。

壁率比は壁量充足率の小さい方÷壁量充足率の大きい方で計算します。

選択肢4. 検討する方向の各側端部分の壁量充足率がそれぞれ0.4及び1.2であったので、当該階のその方向については、偏心率の確認を行わず、壁率比の規定を満足すると判断した。

誤りです。

壁量充足率の小さい方÷壁量充足率の大きい方で計算すると、0.4/1.2=0.3となります。

壁率比は0.5以上としなければならないため規定を満足できていません。

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02

この問題で覚えておくポイントは、四分割法による壁率比の考え方です。
四分割法とは、木造軸組工法の建築物について、耐力壁の配置バランスを確認する方法です。建築物を4つの側端部分に分け、それぞれの壁量を比較することで、地震時などに建物がねじれる「偏心」を防ぎます。
つまり、各側端部分の壁量充足率や壁率比の求め方が正しいかどうかを判断することがポイントです。

では問題をみてみましょう。

選択肢1. 建築物の平面を分割する1/4の線上に耐力壁の中心線があったので、当該壁を側端部分の存在壁量に算入した。

四分割法では、建築物を平面上で4分割し、両端から1/4部分を側端部分として扱います。
このとき、分割線上にある耐力壁については、側端部分の存在壁量として算入することができます。

したがって、この記述は適当です。

選択肢2. 壁量充足率の算定において、側端部分は、建築物の張り間方向にあっては桁行方向の、桁行方向にあっては張り間方向の両端から1/4の部分とした。

四分割法では、検討する方向とは直交する方向の両端部分を側端部分として扱います。

例えば、張り間方向の壁量を検討する場合は、桁行方向の両端から1/4部分を側端部分とします。
この考え方で壁の偏りを確認します。

したがって、この記述は適当です。

選択肢3. 各階の張り間方向及び桁行方向のそれぞれについて、「壁量充足率の小さいほう」を「壁量充足率の大きいほう」で除して壁率比を求めた。

壁率比は、各方向について左右(または前後)の側端部分の壁量バランスを見るための指標です。

計算方法は、

壁率比 = 小さい側端部分の壁量充足率 ÷ 大きい側端部分の壁量充足率

となります。

壁率比が小さい場合は、耐力壁の配置が偏っている可能性があり、地震時に建築物がねじれる危険があります。

したがって、この記述は適当です。
 

選択肢4. 検討する方向の各側端部分の壁量充足率がそれぞれ0.4及び1.2であったので、当該階のその方向については、偏心率の確認を行わず、壁率比の規定を満足すると判断した。

壁率比は、

0.4 ÷ 1.2 = 約0.33

となります。

四分割法では、壁率比が0.5以上であることが求められますが、この場合は壁率比が小さく、耐力壁の配置が偏っていると判断されます。

そのため、壁率比の規定を満足しているとはいえません。
また、壁率比の規定を満たさない場合は、必要に応じて偏心率の確認などを行う必要があります。

したがって、この記述が最も不適当です。
 

まとめ

四分割法の問題では、側端部分の取り方、壁量充足率、壁率比の算定方法を正しく理解しているかが問われます。

特に重要なのは、壁率比は「小さい側の壁量充足率を大きい側で割る」という点です。
また、壁率比が小さい場合は耐力壁の配置バランスが悪く、地震時に建物がねじれる可能性があるため注意が必要です。

一級建築士試験では、四分割法に関する数値計算や基準値の判断問題が頻出するため、壁率比の求め方と、偏心を防ぐための考え方をセットで覚えておきましょう。
 

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