一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問68 (学科3(法規) 問28)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問68(学科3(法規) 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

以下の条件に該当する建築物の新築に係る設計及び管理に際して、「戸」に係る建築基準法その他の法令の規定の適用に関する設計者及び管理者の判断として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

【条件】
・用途:劇場
・階数:地上5階建て
・延べ面積:2,500m2(各階の床面積500m2
  • 客席からの出口に設ける戸の構造を、客席からの避難を想定して、外開きとした。
  • エントランスホールの出入口に設ける戸を、自動的に開閉する構造とし、かつ、その前後に高低差を設けないようにした。
  • 防火戸について、その閉鎖の支障になる物件が放置されたり、みだりに存置されることがないように管理することとした。
  • 屋内避難階段の出入口に設ける防火戸について、熱感知器によって自動的に閉鎖する構造とした。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、「屋内避難階段の出入口に設ける防火戸について、熱感知器によって自動的に閉鎖する構造とした。」です。
避難階段の出入口にある防火戸は、火や熱だけでなく、まず広がりやすいを早く防ぐことが大切です。そのため、避難階段まわりの防火戸は、常時閉鎖式または煙感知器と連動して閉鎖する方式で考えるのが基本です。ほかの記述は、劇場に関する戸の規定や管理の考え方に合っています。

選択肢1. 客席からの出口に設ける戸の構造を、客席からの避難を想定して、外開きとした。

この記述は適切です。
劇場などの客席からの出口の戸は、内開きとしてはならないとされています。人が一斉に避難するとき、内開きだと人が押し寄せて開けにくくなるおそれがあるためです。したがって、外開きとする判断は適切です。

選択肢2. エントランスホールの出入口に設ける戸を、自動的に開閉する構造とし、かつ、その前後に高低差を設けないようにした。

この記述は適切です。
劇場はバリアフリー法上の対象となる建築物で、2,000㎡以上の新築では建築物移動等円滑化基準への適合が必要です。この問題の建築物は延べ面積2,500㎡なので対象に当たります。そして、出入口に戸を設ける場合は、自動的に開閉する構造など、車椅子使用者が通りやすい構造とし、戸の前後に高低差を設けないことが求められています。

選択肢3. 防火戸について、その閉鎖の支障になる物件が放置されたり、みだりに存置されることがないように管理することとした。

この記述は適切です。
防火戸は、火災時にきちんと閉まってはじめて役割を果たします。消防法では、防火戸の閉鎖の支障になる物件が放置されたり、みだりに置かれたりしないように管理しなければならないとされています。つまり、防火戸の前に物を置かないように管理するという判断は正しいです。

選択肢4. 屋内避難階段の出入口に設ける防火戸について、熱感知器によって自動的に閉鎖する構造とした。

この記述は誤りです。
避難階段の出入口の防火戸は、避難の安全を守るために特に重要です。国土交通省の通知では、避難階段や特別避難階段の出入口に設ける防火戸は、常時閉鎖式またはしゃ煙性能を有し、煙感知器連動閉鎖式とする考え方が示されています。したがって、ここで熱感知器による閉鎖としている点が不適切です。煙は熱より先に広がることが多いため、避難階段を守るには煙への対応が重要になります。

まとめ

この問題では、劇場に設けるについて、


避難のための戸はどちら向きに開くべきか
バリアフリーのためにどんな構造が必要か
防火戸をどう管理するか
避難階段の防火戸は何で閉鎖させるべきか


を整理しておくことが大切です。

覚えておくポイントは、客席からの出口は外開き大規模な劇場の出入口はバリアフリーに配慮防火戸の前には物を置かない、そして避難階段の防火戸は熱感知器ではなく煙感知器連動で考える、という4点です。ここを押さえると、似た問題にも対応しやすくなります。

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