一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問67 (学科3(法規) 問27)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問67(学科3(法規) 問27) (訂正依頼・報告はこちら)

以下の条件に該当する建築物の新築に係る設計に際して、「外壁の開口部」に係る建築基準法その他の法令の規定の適用に関する設計者の判断として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

【条件】
・用途:共同住宅
・構造:鉄筋コンクリート造
・階数:地上5階建て
・建築物エネルギー消費性能基準に係る地域の区分:6
  • 耐力壁である外壁の開口部について、その周囲に、径12mmの補強筋を配置した。
  • 外壁の開口部について、断熱性能の高い窓を設けて、単位住戸の「外皮平均熱貫流率」が0.50W/(m2・度)及び「冷房期の平均日射熱取得率」が2.5となるようにした。
  • 外壁の開口部のうち、避難階段から屋外に通ずる出口について、屋内からかぎを用いて解錠できる戸を設け、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示することとした。
  • 「延焼のおそれのある部分」に位置する外壁の開口部において、加熱開始後20分間の遮炎性能を有する防火設備を設けた。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、「避難階段から屋外に通ずる出口について、屋内からかぎを用いて解錠できる戸を設け、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示することとした。」という記述です。
避難に使う出口は、火災などの非常時に屋内からかぎを使わずに解錠できることが必要です。そのため、「かぎを用いて解錠できる」としたこの記述は法令に合っていません。

選択肢1. 耐力壁である外壁の開口部について、その周囲に、径12mmの補強筋を配置した。

この選択肢は正しいです。
鉄筋コンクリート造の耐力壁では、開口部のまわりをしっかり補強する必要があります。建築基準法施行令第78条の2では、開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置することとされています。したがって、この判断は適切です。

選択肢2. 外壁の開口部について、断熱性能の高い窓を設けて、単位住戸の「外皮平均熱貫流率」が0.50W/(m2・度)及び「冷房期の平均日射熱取得率」が2.5となるようにした。

この選択肢は正しいです。
この設問の条件では、建築物エネルギー消費性能基準の地域区分は6です。地域区分6の住宅では、外皮平均熱貫流率UAの基準値は0.87以下、冷房期の平均日射熱取得率ηACの基準値は2.8以下です。設問の数値である0.502.5は、どちらも基準値を満たしています。つまり、断熱性も日射対策も基準内に収まっています。

選択肢3. 外壁の開口部のうち、避難階段から屋外に通ずる出口について、屋内からかぎを用いて解錠できる戸を設け、かつ、当該戸の近くの見やすい場所にその解錠方法を表示することとした。

この選択肢は誤りです。
避難階段から屋外に通ずる出口は、避難のために使う大切な出口です。建築基準法施行令第125条の2では、このような出口の施錠装置は、屋内からかぎを用いることなく解錠できるものでなければならないとされています。
つまり、解錠方法の表示があっても、かぎを使わないと開けられない戸は不可です。非常時にすぐ逃げられないおそれがあるからです。

選択肢4. 「延焼のおそれのある部分」に位置する外壁の開口部において、加熱開始後20分間の遮炎性能を有する防火設備を設けた。

この選択肢は正しいです。
耐火建築物や準耐火建築物では、延焼のおそれのある部分にある外壁の開口部に、防火戸などの防火設備を設ける必要があります。そして、その防火設備には加熱開始後20分間の遮炎性能が求められます。したがって、この判断は法令に合っています。

 

まとめ

覚えておくポイントは、外壁の開口部は構造・省エネ・避難・防火の4つの面から見ることです。
今回、特に大事なのは避難用の出口は、屋内からかぎなしで開けられなければならないという点です。
また、地域区分6の住宅では、UAとηACは基準値以下なら適合ですし、延焼のおそれのある部分の開口部には20分間の遮炎性能をもつ防火設備が必要です。こうした基本を整理しておくと、似た問題にも対応しやすくなります。

 

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