一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問66 (学科3(法規) 問26)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問66(学科3(法規) 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律」上、誤っているものはどれか。
  • 建築主は、既存の事務所において、床面積500m2の増築をしようとするときは、建築物全体を、建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。
  • 建築士は、建築物の建築等に係る設計を行うときは、国土交通省令で定めるところにより、当該設計の委託をした建築主に対し、当該設計に係る建築物のエネルギー消費性能その他建築物のエネルギー消費性能の向上に資する事項について説明するよう努めなければならない。
  • 1年間に新たに建設する請負型規格共同住宅等の住戸の数が1,000戸以上である特定共同住宅等建設工事業者は、その新たに建設する請負型規格共同住宅等を、エネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるように努めなければならない。
  • 建築主等は、エネルギー消費性能の一層の向上のための建築物の修繕をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、
「建築主は、既存の事務所において、床面積500㎡の増築をしようとするときは、建築物全体を、建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。」という記述です

現在の建築物省エネ法では、2025年4月1日以後の増築・改築は、原則として「増築又は改築をする部分」だけが基準適合義務の対象です。以前のように建築物全体を適合させる考え方ではありません。そのため、500㎡の増築は義務の対象にはなりますが、適合が必要なのは増築部分であって、建築物全体ではないので、この記述は誤りです。

 

選択肢1. 建築主は、既存の事務所において、床面積500m2の増築をしようとするときは、建築物全体を、建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。

これは誤りです。
今の制度では、増築や改築をするときは、増築・改築をする部分について省エネ基準に適合させることが求められます。問題の記述のように、建築物全体を基準適合させなければならないという書き方は、現在の法令の内容と合っていません。特にこの点は、2025年4月1日の制度改正後に変わった重要ポイントです。

選択肢2. 建築士は、建築物の建築等に係る設計を行うときは、国土交通省令で定めるところにより、当該設計の委託をした建築主に対し、当該設計に係る建築物のエネルギー消費性能その他建築物のエネルギー消費性能の向上に資する事項について説明するよう努めなければならない。

これは正しい記述です。
法律では、建築士が建築物の建築や修繕などに係る設計をするときは、その設計を依頼した建築主に対して、省エネ性能や省エネ性能の向上に役立つ事項を説明するよう努めることとされています。さらに、省令では、工事着手前に説明するよう努めることも示されています。したがって、この記述は法令の内容に合っています。

選択肢3. 1年間に新たに建設する請負型規格共同住宅等の住戸の数が1,000戸以上である特定共同住宅等建設工事業者は、その新たに建設する請負型規格共同住宅等を、エネルギー消費性能の一層の向上のために必要な住宅の構造及び設備に関する基準に適合させるように努めなければならない。

これは正しい記述です。
建築物省エネ法には、いわゆる住宅トップランナー制度があり、共同住宅等については、年間1,000戸以上の一定規模で供給する事業者が対象になります。対象となる特定共同住宅等建設工事業者は、新たに建設する請負型規格共同住宅等について、定められた基準に適合させるよう努力義務を負います。したがって、この記述も正しいです。

選択肢4. 建築主等は、エネルギー消費性能の一層の向上のための建築物の修繕をしようとするときは、建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁の認定を申請することができる。

これは正しい記述です。
建築物の省エネ性能をさらに高めるための修繕をしようとする場合には、建築主等が建築物エネルギー消費性能向上計画を作成し、所管行政庁に認定申請をすることができます。実際に、現行の申請様式でも、法律に基づいてこの認定を申請する仕組みが示されています。したがって、この記述も適切です。

まとめ

この問題で特に大切なのは、増築・改築のときに省エネ基準へ適合させる範囲が、現在は「建築物全体」ではなく「増築・改築する部分」になっていることです。ここを古い制度のイメージで覚えていると、ひっかかりやすいです。

覚えておくポイントとしては、
増築・改築は「工事をする部分」だけが対象
建築士には建築主への説明努力義務がある
一定規模以上の共同住宅事業者にはトップランナー制度がある
省エネ性能向上計画は修繕でも認定申請できる
この4つを整理しておくと解きやすくなります。

 

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