一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問24 (学科2(環境・設備) 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問24(学科2(環境・設備) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の外壁に設ける開口部の伝熱に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 開口部(窓ガラス+ブラインド)の日射熱取得率は、形状や材料の条件が同じ場合、ブラインドを窓ガラスの外側に設置した状態に比べて、内側に設置したほうが大きくなる。
  • 透明フロート板ガラスは、可視光線に比べて、波長の長い赤外線の吸収率が高いため、一般に、日射が当たると室内の温度が上昇する。
  • 熱線吸収板ガラスは、同じ厚さの透明フロート板ガラスと比べて、室内への日射熱侵入を抑える効果はあるが、熱貫流率は同程度である。
  • 複層ガラスは、中空層が完全な真空である場合、熱貫流率が0W/m2・Kとなる。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

建築物の外壁に設ける開口部の伝熱に関する問題です。

選択肢1. 開口部(窓ガラス+ブラインド)の日射熱取得率は、形状や材料の条件が同じ場合、ブラインドを窓ガラスの外側に設置した状態に比べて、内側に設置したほうが大きくなる。

正しいです。

ブラインドを外部に設置した場合の方が日射熱の遮蔽効果が高いです。

つまり開口部の日射熱取得率(窓ガラス+ブラインドが日射熱を取得してくれる割合)が大きいです。

選択肢2. 透明フロート板ガラスは、可視光線に比べて、波長の長い赤外線の吸収率が高いため、一般に、日射が当たると室内の温度が上昇する。

正しいです。

透明フロート板ガラスは波長の長い赤外線の吸収率が高いです。

波長の長い赤外線は吸収されると熱が発生するため室内の温度が上昇します。

選択肢3. 熱線吸収板ガラスは、同じ厚さの透明フロート板ガラスと比べて、室内への日射熱侵入を抑える効果はあるが、熱貫流率は同程度である。

正しいです。

熱線吸収板ガラスと透明フロート板ガラスの熱貫流率は同程度です。

選択肢4. 複層ガラスは、中空層が完全な真空である場合、熱貫流率が0W/m2・Kとなる。

誤りです。

真空であっても放射熱は0ではないため、熱貫流率は0にはなりません。

参考になった数40

02

最も不適当なのは、「複層ガラスは、中空層が完全な真空である場合、熱貫流率が0W/m²・Kとなる。」という記述です。

複層ガラスは、2枚以上のガラスの間に空気などの層を設けたものです。中空層を真空にすると、空気による熱の移動を防ぐことができます。しかし、真空でも放射によって熱が移動するため、熱貫流率が0になることはありません。

選択肢1. 開口部(窓ガラス+ブラインド)の日射熱取得率は、形状や材料の条件が同じ場合、ブラインドを窓ガラスの外側に設置した状態に比べて、内側に設置したほうが大きくなる。

この記述は適切です。

日射熱取得率は、窓に当たった太陽の熱が、どのくらい室内に入るかを表す割合です。数値が大きいほど、室内に多くの日射熱が入ることを意味します。

ブラインドを窓ガラスの外側に設置すると、太陽光がガラスに当たる前に遮ることができるため、室内に入る熱を減らせます。

一方、ブラインドを内側に設置すると、太陽光がガラスを通過してからブラインドに当たります。ブラインドが吸収した熱は室内に伝わりやすくなります。

そのため、ブラインドは内側に設置するよりも、外側に設置したほうが日射熱を遮る効果が高くなります。

選択肢2. 透明フロート板ガラスは、可視光線に比べて、波長の長い赤外線の吸収率が高いため、一般に、日射が当たると室内の温度が上昇する。

この記述は適切です。

透明フロート板ガラスは、一般的な窓に使われる、表面が平らで透明なガラスです。

太陽光には、人の目に見える可視光線と、目に見えない赤外線などが含まれています。

透明フロート板ガラスは、可視光線をよく通しますが、波長の長い赤外線は吸収しやすい性質があります。

太陽光が窓から室内に入ると、床や壁、家具などが光を吸収して温まり、そこから波長の長い赤外線が放出されます。

この赤外線はガラスを通り抜けにくいため、室内から熱が逃げにくくなります。

このように、透明なガラスは太陽光を室内に取り入れる一方、室内から放出される波長の長い赤外線を通しにくいため、日射によって室内の温度が上昇しやすくなります。

 

 

選択肢3. 熱線吸収板ガラスは、同じ厚さの透明フロート板ガラスと比べて、室内への日射熱侵入を抑える効果はあるが、熱貫流率は同程度である。

この記述は適切です。

熱線吸収板ガラスは、太陽光に含まれる熱の一部を吸収し、室内に入る日射熱を減らすガラスです。

透明フロート板ガラスと比べると、日射熱を遮る効果が高いため、夏の室温上昇を抑えることができます。

一方、熱貫流率は、窓などを通して熱がどのくらい伝わりやすいかを表す数値です。熱貫流率が小さいほど、断熱性能が高いことを意味します。

熱線吸収板ガラスは、日射熱を吸収する性質を持っていますが、同じ厚さの透明フロート板ガラスと比べて、熱貫流率に大きな違いはありません。

つまり、熱線吸収板ガラスは日射熱を遮る効果は高いものの、断熱性能は一般的な透明ガラスと同程度です。

日射熱を遮る性能と、室内外の温度差による熱の移動を抑える断熱性能は、区別して考える必要があります。

 

 

選択肢4. 複層ガラスは、中空層が完全な真空である場合、熱貫流率が0W/m2・Kとなる。

この記述は不適切です。

複層ガラスは、ガラスとガラスの間に中空層を設けることで、熱が移動しにくくなるようにしたものです。

熱の移動には、主に伝導、対流、放射の3つの方法があります。

伝導は物質を通して熱が伝わること、対流は空気などの流れによって熱が運ばれること、放射は赤外線などによって熱が伝わることです。

中空層を完全な真空にすると、空気による伝導や対流を防ぐことができます。

しかし、放射は空気がなくても起こるため、真空層を通して熱が移動します。また、実際の真空ガラスでは、ガラスを支える部材などを通して熱が伝わることもあります。

したがって、中空層が完全な真空であっても、熱貫流率は0W/m²・Kにはなりません。

なお、真空ガラスでは、放射による熱の移動を減らすため、Low-E膜と呼ばれる特殊な金属膜を使用することがあります。

参考になった数0

03

この問題は、ガラスの性質や性能に着目して解きましょう。

選択肢1. 開口部(窓ガラス+ブラインド)の日射熱取得率は、形状や材料の条件が同じ場合、ブラインドを窓ガラスの外側に設置した状態に比べて、内側に設置したほうが大きくなる。

正しいです。
ブラインドを内側に設置した場合、ブラインドで反射した熱射が窓ガラスとの間に残ります。
ブラインドが吸収した熱も存在するため、外側に設置するにする場合よりも日射熱取得率が大きくなります。

ブラインドを外側に設けるのは遮光性はよいですが、メンテナンスはしにくいです。

 

なお、日射熱取得率とは窓ガラスに入射した日射と実際に窓ガラスを通過した日射の割合のことで、日射熱取得率が高いほど日射が通過したことになります。

選択肢2. 透明フロート板ガラスは、可視光線に比べて、波長の長い赤外線の吸収率が高いため、一般に、日射が当たると室内の温度が上昇する。

正しいです。
フロート板ガラスとは、透明な板ガラスの中で最も一般的な性能のものです。

性能としては設問の記述通りとなります。

選択肢3. 熱線吸収板ガラスは、同じ厚さの透明フロート板ガラスと比べて、室内への日射熱侵入を抑える効果はあるが、熱貫流率は同程度である。

正しいです。

熱線吸収板ガラスとは、ガラスの片側に金属膜をコーティングして着色することにより遮光性能を付与している製品です。

光を適度に反射することによって室内への日射熱侵入を押さえますが、設問の通り、熱還流率自体は透明フロート板ガラスと同程度です。

選択肢4. 複層ガラスは、中空層が完全な真空である場合、熱貫流率が0W/m2・Kとなる。

誤りです。
中空層が完全な真空であったとしても、ガラス自体の熱還流率が存在するため0にはなりません。

参考になった数0