一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問23 (学科2(環境・設備) 問3)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問23(学科2(環境・設備) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 全熱交換器による換気において、外気の絶対湿度が室内の絶対湿度よりも高い場合、室内の吹出し空気の絶対湿度は、外気の絶対湿度より低くなる。
  • 温度差による換気において、外気の温度が室内の温度よりも高い場合、外気は中性帯よりも下側の開口から流入する。
  • 風圧力による換気において、外部風向と開口条件が同じ場合、その換気量は、概ね外部風速に比例する。
  • 容積の異なる2つの室において、それぞれの室内の二酸化炭素発生量及び換気回数が同じ場合、定常状態での室内の二酸化炭素濃度は、一般に、容積が大きい室より小さい室のほうが高くなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

換気に関する問題です。

選択肢1. 全熱交換器による換気において、外気の絶対湿度が室内の絶対湿度よりも高い場合、室内の吹出し空気の絶対湿度は、外気の絶対湿度より低くなる。

正しいです。

全熱交換器による換気は空気だけでなく湿度も交換します。

選択肢2. 温度差による換気において、外気の温度が室内の温度よりも高い場合、外気は中性帯よりも下側の開口から流入する。

誤りです。

空気は温度が高いと上にいくため下側の開口ではなく上側の開口から流入します。

選択肢3. 風圧力による換気において、外部風向と開口条件が同じ場合、その換気量は、概ね外部風速に比例する。

正しいです。

風圧力による換気における換気量は外部風速に比例します。

選択肢4. 容積の異なる2つの室において、それぞれの室内の二酸化炭素発生量及び換気回数が同じ場合、定常状態での室内の二酸化炭素濃度は、一般に、容積が大きい室より小さい室のほうが高くなる。

正しいです。

室容積が小さい方が濃度が濃くなります。

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02

この問題は、換気の基本的な仕組みや原理を理解していれば解ける問題です。

選択肢1. 全熱交換器による換気において、外気の絶対湿度が室内の絶対湿度よりも高い場合、室内の吹出し空気の絶対湿度は、外気の絶対湿度より低くなる。

正しいです。

 

全熱交換機とは、室内と室外の温度差・湿度差がある環境において、熱交換エレメントと呼ばれる装置を用い、快適な熱や湿度の損失を抑えつつ換気をする設備です。
エアコンや加湿器・除湿器といった設備とは異なるため、外気の絶対湿度が室内よりも高い場合、吹出し空気の絶対湿度が外気よりも高くなることはありません。

 

熱交換エレメントでは、紙といった温度・湿度を通すフィルターを活用し、熱・湿度を調整しつつ換気を行っています。

選択肢2. 温度差による換気において、外気の温度が室内の温度よりも高い場合、外気は中性帯よりも下側の開口から流入する。

誤りです。
正しくは、中性帯よりも上側の開口から流入します。

 

空気は、温度が温かい方が密度が大きいため、冷たい空気が下に、温かい空気が上に行く性質があります。そのため、外気の温度が室内の温度より高い場合、室内の冷たい空気が下に潜り込む形で外に排出され、その分外部の温かい空気が上側から流入します。

 

中性帯とは、室内と室外で温度差があるときに、室内と室外の圧力の差がちょうどゼロになる位置のことで、中性帯を境に室内の空気が流入するか排出するかが分かれます。

選択肢3. 風圧力による換気において、外部風向と開口条件が同じ場合、その換気量は、概ね外部風速に比例する。

正しいです。


換気量を求める式は、圧力や空気の密度なども関係しますが基本的には
換気量(m3/s)=断面積(m2)×風速(m/s)
と表せます。

設問の通り、外部風向と開口条件(断面積も含む)が同じであれば、換気量は上記の式の通り概ね外部風速に比例する、といえます。

選択肢4. 容積の異なる2つの室において、それぞれの室内の二酸化炭素発生量及び換気回数が同じ場合、定常状態での室内の二酸化炭素濃度は、一般に、容積が大きい室より小さい室のほうが高くなる。

正しいです。


換気回数とは、部屋の容積分の空気が1時間に全て入れ替わった回数です。
入れ替わった回数なので、換気回数が同じであれば部屋の容積に関わらず空気の状態は同じであると言えます。
ここで、二酸化炭素発生量については、室内の容積が小さい方が二酸化炭素濃度がより大きくなるので、この設問は正しいです。

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03

最も不適当なのは、外気温度が室内温度より高い場合に、外気が中性帯より下側の開口から流入するとした記述です。

温度差による換気では、室内と外気の温度差によって空気の密度が変わり、建物の内外に圧力差が生じます。外気温度が室内温度より高い場合は、室内の空気のほうが重くなるため、中性帯より下側では室内から外へ流出し、中性帯より上側では外気が室内へ流入します。

選択肢1. 全熱交換器による換気において、外気の絶対湿度が室内の絶対湿度よりも高い場合、室内の吹出し空気の絶対湿度は、外気の絶対湿度より低くなる。

この記述は適当です。

全熱交換器は、排出する室内空気と取り入れる外気との間で、温度だけでなく水分も交換する装置です。

外気の絶対湿度が室内より高い場合は、取り入れる外気が持つ水分の一部が、室内から排出する空気側へ移ります。そのため、全熱交換器を通って室内へ吹き出される空気の絶対湿度は、交換前の外気の絶対湿度より低くなります。

例えば、夏に外気が高温多湿で室内が冷房されている場合、外気の熱や水分の一部を室内に取り込む前に回収できるため、冷房や除湿の負担を小さくできます。

選択肢2. 温度差による換気において、外気の温度が室内の温度よりも高い場合、外気は中性帯よりも下側の開口から流入する。

この記述は不適当です。

中性帯とは、建物の内側と外側の圧力が等しくなる高さのことです。その上下では、室内外の圧力の大小関係が反対になります。

外気温度が室内温度より高いと、外気は暖かく軽く、室内空気は冷たく重い状態になります。この場合、中性帯より下側では室内の圧力のほうが高くなるため、室内空気が外へ流出します。

反対に、中性帯より上側では外の圧力のほうが高くなり、外気が室内へ流入します。

つまり、外気温度が室内温度より高い場合は、設問の記述とは反対に、外気は中性帯より上側から流入し、下側から室内空気が流出します。

選択肢3. 風圧力による換気において、外部風向と開口条件が同じ場合、その換気量は、概ね外部風速に比例する。

この記述は適当です。

風が建物に当たると、風上側と風下側などに圧力差が生じ、その圧力差によって空気が建物内を流れます。

風によって生じる圧力差は、外部風速の2乗にほぼ比例します。一方、開口部を通る換気量は、その圧力差の平方根に比例します。

そのため、風向や開口部の大きさなどの条件が同じであれば、結果として換気量は外部風速に概ね比例します。例えば、外部風速が2倍になると、理論上の換気量もおおむね2倍になります。

選択肢4. 容積の異なる2つの室において、それぞれの室内の二酸化炭素発生量及び換気回数が同じ場合、定常状態での室内の二酸化炭素濃度は、一般に、容積が大きい室より小さい室のほうが高くなる。

この記述は適当です。

換気回数とは、1時間に室内の空気が何回分入れ替わるかを表したものです。

換気量は、室の容積に換気回数を掛けて求めます。そのため、換気回数が同じであれば、容積が大きい室ほど実際に入れ替わる空気の量も多くなります。

一方、この問題では二酸化炭素の発生量はどちらの室も同じです。そのため、容積の小さい室では換気量も少なくなり、発生した二酸化炭素を外へ排出する量が少なくなります。

したがって、定常状態では、一般に容積が小さい室のほうが二酸化炭素濃度は高くなります。

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