一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問22 (学科2(環境・設備) 問2)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問22(学科2(環境・設備) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

室内の温熱環境に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 予測平均温冷感申告(PMV)は、空気温度、放射温度、相対湿度、気流速度、着衣量、代謝量を用いて求める。
  • 予測平均温冷感申告(PMV)の値が0のとき、予測不満足者率(PPD)は、0%になる。
  • 空調におけるドラフトによる不快感には、平均風速だけでなく、空気温度も影響する。
  • 着席安静時における日本人の平均的な体格の成人男性の代謝量は、一人当たり約100Wである。

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この過去問の解説 (3件)

01

室内の温熱環境に関する問題です。

選択肢1. 予測平均温冷感申告(PMV)は、空気温度、放射温度、相対湿度、気流速度、着衣量、代謝量を用いて求める。

正しいです。

予測平均温冷感申告は人が感じる冷たさと暑さの指標です。

空気温度、放射温度、相対湿度、気流速度、着衣量、代謝量を用いて求めます。

選択肢2. 予測平均温冷感申告(PMV)の値が0のとき、予測不満足者率(PPD)は、0%になる。

誤りです。

予測平均温冷感申告が0のとき、予測不満足者率は5%になります。

予測平均温冷感申告が0の場合でも5%の人は不満を感じると予測されるためです。

選択肢3. 空調におけるドラフトによる不快感には、平均風速だけでなく、空気温度も影響する。

正しいです。

ドラフトによる不快感とは気流によって生じる不快感です。風速、空気温度も影響します。

選択肢4. 着席安静時における日本人の平均的な体格の成人男性の代謝量は、一人当たり約100Wである。

正しいです。

成人の発熱量は100W/人(1人当たり)、または58W/㎡(体表面積当たり)です。

参考になった数50

02

室内の温熱環境の基礎知識を問う問題です。
押さえるべきポイントをしっかり押さえましょう。

選択肢1. 予測平均温冷感申告(PMV)は、空気温度、放射温度、相対湿度、気流速度、着衣量、代謝量を用いて求める。

正しいです。
予測平均温冷感申告(PMV)とは、様々な室内環境で被験者に実験してもらい、体感申告によって評価した指標です。用いられる要素は設問の通りです。

 

着衣量は着衣による断熱力で、1clo(クロー 0.155㎡・K/W)、という単位で表します。
長袖シャツ・長ズボンを着た状態が大体1cloです。

代謝量は人が安静にしている状態で自然に消費されるエネルギーで、体表面1㎡当たり約60Wの熱エネルギーを放出しています。

選択肢2. 予測平均温冷感申告(PMV)の値が0のとき、予測不満足者率(PPD)は、0%になる。

誤りです。
「PPDが0%になる」という記述が誤りで、正しくは5%です。

 

PMVの値は、

+2:暑い ~ ±0:中立 ~ -2:寒い
という範囲の数値で表されます。

予測不満足者率(PPD)は言い換えると「不満足な人の比率」で、不満足と回答した人が何%いるかの割合です。

 

PMVが2、-2のときはPPDが75%程度です。
PMVが0、つまり中立の場合については、中立とは言え不快感は人それぞれで、0%とは言い切れないことから5%という値が採用されています。

選択肢3. 空調におけるドラフトによる不快感には、平均風速だけでなく、空気温度も影響する。

正しいです。

ドラフトとは、人体に当たった時に過度に温冷感を与える気流のことです。
隙間風や、冬の窓際から伝わる冷気などが該当します。
ドラフトは温度と気流が要因であるため設問の記述は正しいです。

選択肢4. 着席安静時における日本人の平均的な体格の成人男性の代謝量は、一人当たり約100Wである。

正しいです。
着席して安静にしているときの体表面積1㎡当たりの代謝は58.2W/㎡とされています。
また、成人男性の体表面積は約1.7㎡であるため、
58.2×1.7=98.9≒100W

となり、設問の記述は妥当です。

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03

最も不適当なのは、「予測平均温冷感申告(PMV)の値が0のとき、予測不満足者率(PPD)は、0%になる。」という記述です。

PMVは、人が感じる暑さや寒さを数値で表したもので、0は暑くも寒くもない状態を意味します。しかし、PMVが0でも、PPDは0%ではなく、約5%になります。これは、平均的には快適な温熱環境であっても、暑い、寒いと感じる人が一定数いるためです。

選択肢1. 予測平均温冷感申告(PMV)は、空気温度、放射温度、相対湿度、気流速度、着衣量、代謝量を用いて求める。

この記述は適切です。

予測平均温冷感申告(PMV)は、多くの人が室内の環境をどのくらい暑い、または寒いと感じるかを予測する指標です。

PMVは、空気温度、放射温度、相対湿度、気流速度、着衣量、代謝量の6つの要素を使って計算します。

放射温度は、壁や天井、床などから受ける熱の影響を表す温度です。着衣量は服の厚さや保温性、代謝量は人が活動によって体内でつくる熱の量を表します。

PMVは、−3から+3までの数値で表され、0は暑くも寒くもない状態、+3は非常に暑い状態、−3は非常に寒い状態を示します。

このように、室内の環境に関する4つの要素と、人の状態に関する2つの要素を使って、温熱環境の快適さを評価します。

 

 

選択肢2. 予測平均温冷感申告(PMV)の値が0のとき、予測不満足者率(PPD)は、0%になる。

この記述は不適切です。

予測不満足者率(PPD)は、室内の温熱環境に対して、暑すぎる、寒すぎるなどの不満を感じる人の割合を予測したものです。

PPDはPMVの値をもとに求められ、PMVが0のときに最も小さくなります。

しかし、人によって暑さや寒さの感じ方には違いがあるため、全員が快適と感じるわけではありません。

そのため、PMVが0のとき、PPDは最小値の約5%となり、0%にはなりません。

例えば、100人が同じ温熱環境にいる場合、PMVが0であっても、約5人は暑さや寒さに不満を感じると予測されます。

したがって、PMVが0であっても、すべての人が満足するわけではないことを理解しておく必要があります。

 

 

選択肢3. 空調におけるドラフトによる不快感には、平均風速だけでなく、空気温度も影響する。

この記述は適切です。

ドラフトとは、空調などによる空気の流れが体に当たり、部分的に寒さや不快感を感じる現象です。

例えば、冷房の冷たい風が首や足元に直接当たると、室内全体の温度が快適でも、寒く感じることがあります。

ドラフトによる不快感は、風の速さだけでなく、空気の温度によっても変わります。

一般に、空気温度が低いほど、また風速が大きいほど、ドラフトによる不快感は生じやすくなります。

さらに、風速が不規則に変化することも不快感に影響します。

このように、ドラフトによる不快感は、平均風速、空気温度、風速の変動などによって決まります。

選択肢4. 着席安静時における日本人の平均的な体格の成人男性の代謝量は、一人当たり約100Wである。

この記述は適切です。

代謝量は、人が体内でエネルギーを消費して発生させる熱の量を表したものです。

人は何もしていないときでも、呼吸や心臓の動きなどによってエネルギーを消費し、熱を発生させています。

着席して安静にしている成人の代謝量は、一般に体表面積1m²当たり約58Wで、これを1met(メット)と呼びます。

平均的な成人男性の体表面積を約1.7m²とすると、代謝量は次のように求められます。

58W/m²×1.7m²=約99W

したがって、着席安静時の成人男性の代謝量は、一人当たり約100Wと考えられます。

なお、歩行や運動などによって活動量が増えると、代謝量は大きくなります。

 

 

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