一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問92 (学科4(構造) 問22)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問92(学科4(構造) 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 地震時に引張軸力が生じる1階の柱脚の鉄骨部分は、原則として、非埋込み形式とする。
  • 非埋込み形式の鉄骨柱脚が曲げ降伏する場合、その柱を鉄筋コンクリート造とみなして、構造特性係数DSの算定を行う。
  • 耐力壁の縦横筋を周囲の鉄骨鉄筋コンクリート造の柱や梁に定着できない場合、縦横筋による耐力は無視する。
  • 構造特性係数DSの算定において、耐力壁の想定される破壊モードがせん断破壊である場合、その耐力壁の種別はWCとする。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、「地震時に引張軸力が生じる1階の柱脚の鉄骨部分は、原則として、非埋込み形式とする。」という記述です。

鉄骨鉄筋コンクリート造の柱脚には、鉄骨部分を基礎に埋め込む「埋込み形式」と、基礎上でアンカーボルトなどにより固定する「非埋込み形式」があります。

地震によって柱脚に引張軸力が生じる場合、非埋込み形式では十分な変形能力を確保しにくいため、原則として埋込み形式とします。したがって、「非埋込み形式とする」とした部分が逆です。

選択肢1. 地震時に引張軸力が生じる1階の柱脚の鉄骨部分は、原則として、非埋込み形式とする。

この記述は不適当です。

地震時には、建築物が大きく揺れることで、1階の柱に圧縮力だけでなく引張力が生じる場合があります。

このような柱脚を非埋込み形式にすると、鉄骨部分から基礎へ力を伝える部分がアンカーボルトなどに集中しやすく、柱脚が曲げ降伏した場合でも十分な変形能力を確保しにくくなります。

そのため、地震時の軸力変動によって引張軸力が生じる最下階の柱脚は、原則として鉄骨部分を基礎に埋め込む「埋込み形式」とします。

したがって、「非埋込み形式とする」という部分が誤りです。

選択肢2. 非埋込み形式の鉄骨柱脚が曲げ降伏する場合、その柱を鉄筋コンクリート造とみなして、構造特性係数DSの算定を行う。

この記述は適当です。

構造特性係数DSは、建築物が地震時にどの程度粘り強く変形できるかを考慮して、必要保有水平耐力を求めるための係数です。

非埋込み形式のSRC柱脚が曲げ降伏する場合、柱脚部分の変形性能はSRC柱としてではなく、鉄筋コンクリート造の柱脚に近い性質として評価します。

そのため、このような1階柱脚については、RC造として部材種別を定め、DSを算定します。構造計算適合性判定の事例でも、非埋込み柱脚の1階柱はRC造として部材種別を定め、DSを算定する取扱いが示されています。

選択肢3. 耐力壁の縦横筋を周囲の鉄骨鉄筋コンクリート造の柱や梁に定着できない場合、縦横筋による耐力は無視する。

この記述は適当です。

耐力壁の縦筋や横筋は、壁の中だけで力を負担するものではありません。周囲の柱や梁へきちんと定着することで、壁に生じた力を周囲の架構へ伝えます。

縦横筋が柱や梁に十分に定着されていなければ、鉄筋が負担した力を確実に伝えることができません。

そのため、周囲のSRC造の柱や梁に定着できない縦横筋については、その鉄筋による耐力を計算に含めません。

耐力壁では、鉄筋を周囲の柱や梁へ確実に定着させ、壁と周囲の架構を一体として働かせることが大切です。

選択肢4. 構造特性係数DSの算定において、耐力壁の想定される破壊モードがせん断破壊である場合、その耐力壁の種別はWCとする。

この記述は適当です。

SRC造の耐力壁は、DSを算定するとき、想定される破壊の仕方によって部材種別を決めます。

SRC造の耐力壁については、

せん断破壊以外
→WA

せん断破壊
→WC

として扱います。

国土交通省の構造計算に関する運用基準でも、SRC造耐力壁について、想定される破壊モードが「せん断破壊以外」の場合はWA、「せん断破壊」の場合はWCとする区分が示されています。

せん断破壊は、曲げによる粘り強い変形をする前に急激に耐力が低下しやすいため、変形能力が低いものとして評価されます。

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