一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問83 (学科4(構造) 問13)
問題文
鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問83(学科4(構造) 問13) (訂正依頼・報告はこちら)
鉄筋コンクリート構造の許容応力度計算に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 柱の許容曲げモーメントは、「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したとき」、「圧縮側鉄筋が許容圧縮応力度に達したとき」及び「引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき」に対して算定したそれぞれの曲げモーメントの値のうち、最大となるものとした。
- 建築物の外壁から突出する部分の長さが2m以下の片持ちのバルコニーについて、鉛直方向の振動の励起が生じにくいものと判断して、鉛直震度による突出部分に作用する応力の割増しを行わなかった。
- 引張側にスラブが取り付く大梁の短期許容曲げ耐力の算定時に、スラブ筋の耐力を算入しなかった。
- 柱梁接合部の許容せん断力を大きくするために、設計基準強度がより高いコンクリートを採用した。
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この過去問の解説 (1件)
01
最も不適当なのは、
「柱の許容曲げモーメントは、『圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したとき』、『圧縮側鉄筋が許容圧縮応力度に達したとき』及び『引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき』に対して算定したそれぞれの曲げモーメントの値のうち、最大となるものとした。」
です。
柱の許容曲げモーメントは、コンクリートや鉄筋のどれか一つでも許容応力度に達すると、それ以上の曲げモーメントを許容できません。
そのため、3つの場合について求めた曲げモーメントのうち、
「最大値ではなく最小値」を柱の許容曲げモーメントとします。RC柱の断面計算でも、この3つの曲げモーメントのうち最小値を許容曲げモーメントとする方法が示されています。
この記述は不適当です。
鉄筋コンクリート柱に曲げモーメントが作用すると、コンクリートと鉄筋のそれぞれに応力が生じます。
柱の許容曲げモーメントを求めるときは、
・圧縮側のコンクリートが許容圧縮応力度に達する場合
・圧縮側の鉄筋が許容圧縮応力度に達する場合
・引張側の鉄筋が許容引張応力度に達する場合
について、それぞれ曲げモーメントを求めます。
このうち、一番小さい曲げモーメントに達した時点で、いずれかの材料が許容できる応力度の限界に達します。
たとえば、それぞれの限界が100、120、150kN・mだった場合、100kN・mを超えた時点で最初の材料が許容応力度を超えるため、150kN・mまで許容することはできません。
したがって、3つの値のうち最小となるものを許容曲げモーメントとします。
この記述は適当です。
片持ちのバルコニーは、建物から外側へ張り出しているため、地震のときには上下方向にも振動することがあります。
特に、張り出している長さが大きい場合は、上下方向の地震力による影響を考える必要があります。
平成19年国土交通省告示第594号では、建築物の外壁から突出する長さが2mを超える片持ちバルコニーなどについて、鉛直震度を用いて安全性を確認することが求められています。
一方、突出する長さが2m以下のものは、この規定の対象から除かれています。
国土交通省も、2mを超える部分については鉛直方向の振動が励起されるおそれがあるため、局部鉛直震度による検討を求めると説明しています。
したがって、このバルコニーについて鉛直震度による応力の割増しを行わないことは適切です。
この記述は適当です。
梁とスラブが一体となった部分は、スラブが圧縮側にある場合には、スラブ部分もコンクリートの圧縮力を負担するため、T形梁として扱うことがあります。
しかし、スラブが引張側になる場合の許容曲げモーメントについては、スラブの効果を無視し、梁部分を長方形梁として計算する方法が用いられます。
したがって、この許容応力度計算において、引張側のスラブ筋の耐力を算入しないことは適切です。
なお、これは「許容曲げ耐力」の計算についての扱いです。終局時の曲げ耐力などを求める場合には、引張側のスラブ筋の効果を考慮することがありますので、計算の目的を区別する必要があります。
この記述は適当です。
柱梁接合部とは、柱と梁が交わる部分です。
地震時には、柱と梁から大きな力が伝わるため、接合部には大きなせん断力が生じます。
柱梁接合部の許容せん断力は、接合部の形や大きさのほか、コンクリートの許容せん断応力度などによって決まります。
計算式では、コンクリートの短期許容せん断応力度が大きくなると、柱梁接合部の許容せん断力も大きくなります。
コンクリートの設計基準強度を高くすると、一般にこの許容せん断応力度も大きくなるため、より高い設計基準強度のコンクリートを使うことは、柱梁接合部の許容せん断力を大きくする方法の一つとなります。
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