一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問78 (学科4(構造) 問8)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問78(学科4(構造) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法における荷重及び外力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 建築物の地上部分における各層の地震層せん断力Qiは、最下層の値が最も大きくなる。
  • 単位床面積当たりの積載荷重の大小関係は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「地震力を計算する場合」<「大梁、柱又は基礎の構造計算をする場合」<「床の構造計算をする場合」である。
  • 風圧力の計算に用いる速度圧qは、その地方について定められている基準風速V0の2乗に比例する。
  • 風圧力の計算に用いる基準風速V0は、極めて稀に発生する暴風時(再現期間が概ね500年)を想定して定められている。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なのは、

「風圧力の計算に用いる基準風速V0は、極めて稀に発生する暴風時(再現期間が概ね500年)を想定して定められている。」

です。

建築基準法の風圧力の計算に使う基準風速V0は、再現期間が概ね500年の暴風を基準としたものではありません。

基準風速V0は、地表面粗度区分Ⅱ・地上10mにおける、再現期間が概ね50年の暴風の10分間平均風速に相当する値です。国土交通省の資料でも、建築基準法によるV0について「再現期間が概ね50年」と示されています。

選択肢1. 建築物の地上部分における各層の地震層せん断力Qiは、最下層の値が最も大きくなる。

この記述は適当です。

地震層せん断力Qiは、その階より上にある建築物の重量に、地震層せん断力係数Ciを掛けて求めます。

下の階ほど、その上にある建築物の重量を多く負担します。そのため、各層の地震層せん断力は下の階ほど大きくなり、最下層で最大になります。

建築基準法施行令第88条では、各高さの部分が支える部分の固定荷重と積載荷重などの合計に、地震層せん断力係数を掛けて地震力を求めることとされています。

実際の計算例でも、上階から下階へ向かうにつれて地震層せん断力Qiが大きくなり、最下層が最大となっています。

選択肢2. 単位床面積当たりの積載荷重の大小関係は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「地震力を計算する場合」<「大梁、柱又は基礎の構造計算をする場合」<「床の構造計算をする場合」である。

この記述は適当です。

積載荷重は、人や家具、荷物などによって床にかかる荷重です。

床そのものを計算するときは、その床に荷物などが集中して載る場合も考える必要があるため、大きな積載荷重を使います。

一方、大梁や柱、基礎では、建物のすべての床に同時に最大の荷重が載る可能性は低いため、床の計算より小さい値を使います。

さらに、地震力を求める場合は、建物全体の重量として考えるため、より小さい積載荷重を使います。

たとえば住宅の居室では、

床の構造計算では1,800N/m²

大梁、柱または基礎の構造計算では1,300N/m²

地震力の計算では600N/m²

となっています。

したがって、大小関係は、

地震力の計算<大梁・柱・基礎の計算<床の計算

となります。建築基準法施行令第85条の表でも、この関係が定められています。

選択肢3. 風圧力の計算に用いる速度圧qは、その地方について定められている基準風速V0の2乗に比例する。

この記述は適当です。

風圧力を求めるための速度圧qは、建築基準法施行令第87条に基づいて計算します。

基本的な形は、

q=0.6×E×V0²

です。

Eは、建築物の高さや周囲の地表面の状況などによる影響を考えるための係数です。

この式を見ると、V0が2乗されていることが分かります。

そのため、ほかの条件が同じであれば、速度圧qは基準風速V0の2乗に比例します。

たとえば、風速が2倍になれば、速度圧は単純に2倍になるのではなく、4倍になるという関係です。

選択肢4. 風圧力の計算に用いる基準風速V0は、極めて稀に発生する暴風時(再現期間が概ね500年)を想定して定められている。

この記述は不適当です。

基準風速V0は、建築物の風圧力を計算するときの基準となる風速で、地域ごとに定められています。

しかし、その基準となっているのは再現期間が概ね500年の暴風ではありません。

建築基準法で用いる基準風速V0は、

再現期間が概ね50年の暴風

に対応する10分間平均風速を基に定められています。

建築研究所の資料でも、平成12年建設省告示第1454号の基準風速は「概ね50年再現期待値に相当する」とされています。

したがって、「再現期間が概ね500年」としている部分が誤りです。

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02

この問題は、建築基準法における荷重および外力(地震層せん断力、積載荷重、風圧力)に関する規定を問う問題です。各項目の計算基準や数値の根拠を正確に把握しましょう。

選択肢1. 建築物の地上部分における各層の地震層せん断力Qiは、最下層の値が最も大きくなる。

正しいです。 地震層せん断力 $Q_i$ は、その階より上にある建物全体の重量をもとに算出します。下層階ほど支える重量が大きくなるため、各階の $Q_i$ は下に行くほど大きくなり、最下層で最大となります(施行令第88条)。

選択肢2. 単位床面積当たりの積載荷重の大小関係は、建築物の実況に応じて計算しない場合、「地震力を計算する場合」<「大梁、柱又は基礎の構造計算をする場合」<「床の構造計算をする場合」である。

正しいです。 床の計算では局所的に人が集中する最悪のケースを想定するため、大きめの値を設定します。一方、建物全体に一斉に最大荷重がかかることは現実的にないため、大梁・柱・基礎、さらに地震力の計算へと対象が広がるにつれて指定数値は小さくなります(施行令第85条)。

選択肢3. 風圧力の計算に用いる速度圧qは、その地方について定められている基準風速V0の2乗に比例する。

正しいです。

風力係数に乗じる速度圧 $q$ は、q = 0.6E × Vo² の式で算出されます(施行令第87条)。速度圧 q は基準風速 Vo の2乗に比例します。

選択肢4. 風圧力の計算に用いる基準風速V0は、極めて稀に発生する暴風時(再現期間が概ね500年)を想定して定められている。

誤りです。 

基準風速 Vo は、再現期間が「概ね50年」の暴風(50年に1度レベルの10分間平均風速)を想定して地域ごとに定められています。「再現期間500年」としている点が誤りです(再現期間500年は極めて稀に発生する大地震などの想定に使われます)。

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