一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問113 (学科5(施工) 問13)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問113(学科5(施工) 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建方において、柱脚の立上げ鉄筋が障害となったので、その立上げ鉄筋を850~900℃で温度管理しながら加熱して、30度以下の角度で曲げた。
  • ブレース端のハンチ等の塑性変形能力が要求される部位において、常温曲げ加工による内側曲げ半径は、特記がなかったので、材料の板厚の8倍とした。
  • 鉄筋貫通孔の孔径についての特記がなかったので、工作図において、異形鉄筋D25の孔径の最大値を38mmとした。
  • 完全溶込み溶接とする板厚の異なる突合せ継手において、部材の板厚差による段違いが12mmであったので、薄いほうの部材から厚いほうの部材へ溶接表面が滑らかに移行するように溶接した。

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この過去問の解説 (2件)

01

鉄骨工事に関する問題です。

選択肢1. 鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建方において、柱脚の立上げ鉄筋が障害となったので、その立上げ鉄筋を850~900℃で温度管理しながら加熱して、30度以下の角度で曲げた。

正しいです。

柱脚の立上げ鉄筋が障害となり折り曲げる必要がある場合、850~900℃で加熱し30度以下の角度とします。

選択肢2. ブレース端のハンチ等の塑性変形能力が要求される部位において、常温曲げ加工による内側曲げ半径は、特記がなかったので、材料の板厚の8倍とした。

正しいです。

塑性変形能力が要求される部位での、常温曲げ加工における内側曲げ半径は材料の板厚の8倍以上とします。

選択肢3. 鉄筋貫通孔の孔径についての特記がなかったので、工作図において、異形鉄筋D25の孔径の最大値を38mmとした。

正しいです。

鉄筋の貫通孔はD25の場合、最大38mmとします。

選択肢4. 完全溶込み溶接とする板厚の異なる突合せ継手において、部材の板厚差による段違いが12mmであったので、薄いほうの部材から厚いほうの部材へ溶接表面が滑らかに移行するように溶接した。

誤りです。

段違いが10mm以下の場合は薄いほうの部材から厚いほうの部材へ溶接表面が滑らかに移行するように溶接しますが、

10mmを超える場合T字型の継ぎ手に準ずる寸法の余盛を設けます。

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02

この問題で覚えておくポイントは、鉄骨工事における「加工方法」「孔あけ」「溶接継手」の施工上の基準です。
鉄骨は、加工時の温度や曲げ半径、溶接部の形状などによって強度や品質が大きく変化します。特に塑性変形能力が求められる部位では加工方法に注意が必要であり、完全溶込み溶接では板厚差への対応方法を理解しておくことが重要です。

では問題をみてみましょう。

選択肢1. 鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建方において、柱脚の立上げ鉄筋が障害となったので、その立上げ鉄筋を850~900℃で温度管理しながら加熱して、30度以下の角度で曲げた。

柱脚部では、建方時に立上げ鉄筋が鉄骨の建込みの障害になる場合があります。
このような場合、鉄筋を加熱して曲げ加工することがあります。

鉄筋の加熱曲げでは、急激な加熱や過度な温度による材質変化を防ぐため、温度管理が必要です。
一般的に、鉄筋の加熱曲げでは約900℃以下の範囲で管理しながら行います。

また、曲げ角度についても鉄筋を無理に折り曲げるのではなく、30度以下の適切な角度で加工する必要があります。
したがって、この記述は適当です。
 

選択肢2. ブレース端のハンチ等の塑性変形能力が要求される部位において、常温曲げ加工による内側曲げ半径は、特記がなかったので、材料の板厚の8倍とした。

ブレース端部のハンチなど、地震時に塑性変形することが期待される部分では、加工による鋼材への悪影響を避ける必要があります。

常温曲げ加工では、曲げ半径が小さすぎると鋼材にひび割れや局部的な損傷が生じる可能性があります。

塑性変形能力が要求される部位では、内側曲げ半径を板厚の8倍以上とすることが求められます。

よって、この記述は適当です。
 

選択肢3. 鉄筋貫通孔の孔径についての特記がなかったので、工作図において、異形鉄筋D25の孔径の最大値を38mmとした。

鉄骨部材に鉄筋を通すための孔を設ける場合、孔径は鉄筋径より大きくしますが、大きくしすぎると鉄骨断面の欠損が大きくなり、部材の強度低下につながるため、孔径には制限があります。

異形鉄筋D25の場合、工作上必要なクリアランスを考慮し、孔径の最大値は38mm程度までとします。

したがって、この記述は適当です。
 

選択肢4. 完全溶込み溶接とする板厚の異なる突合せ継手において、部材の板厚差による段違いが12mmであったので、薄いほうの部材から厚いほうの部材へ溶接表面が滑らかに移行するように溶接した。

板厚が異なる鋼板同士を完全溶込み溶接する場合、板厚差が大きいと応力集中を防ぐために段差への処理が必要です。

板厚差10mm以下の場合、厚い側を削ってテーパー状に加工し、薄い側から厚い側へ滑らかに移行させます。

しかし、10mmを超える場合には、T字型の継ぎ手に準ずる寸法の余盛を設けます。

したがって、この記述は不適当です。

 

まとめ

鉄骨工事では、鋼材の加工や溶接方法が構造性能に大きく影響します。

「施工上可能か」だけでなく、「構造性能を維持できる加工方法か」という視点で判断することが重要です。
 

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