一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問89 (学科4(構造) 問19)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問89(学科4(構造) 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

土質及び地盤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 圧密沈下は、有効応力の増加により、間隙水の排出を伴いながら地盤が徐々に沈下していく現象である。
  • 地盤の許容支持力度は、標準貫入試験によるN値が同じ場合、一般に、粘性土地盤に比べて砂質土地盤のほうが大きい。
  • 地盤の極限鉛直支持力は、一般に、土のせん断破壊が生じることにより決定される。
  • 主働土圧は、地下壁や擁壁が地盤から離れる方向に変位するときに、最終的に一定値に落ち着いた状態で発揮される土圧である。

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この過去問の解説 (2件)

01

土質及び地盤に関する問題です。

選択肢1. 圧密沈下は、有効応力の増加により、間隙水の排出を伴いながら地盤が徐々に沈下していく現象である。

正しいです。

粘性土地盤の圧密沈下は間隙水の排水により地盤が沈下する現象です。

選択肢2. 地盤の許容支持力度は、標準貫入試験によるN値が同じ場合、一般に、粘性土地盤に比べて砂質土地盤のほうが大きい。

誤りです。

砂質地盤では砂の粒が大きく貫入しにくいためN値は大きくなります。

N値が同じ場合、粘性土地盤の方が許容支持力は大きくなります。

選択肢3. 地盤の極限鉛直支持力は、一般に、土のせん断破壊が生じることにより決定される。

正しいです。

地盤の極限鉛直支持力は土のせん断破壊が生じることにより決定されます。

選択肢4. 主働土圧は、地下壁や擁壁が地盤から離れる方向に変位するときに、最終的に一定値に落ち着いた状態で発揮される土圧である。

正しいです。

主働土圧は、擁壁などの構造体が地盤から離れる方向に移動した場合の土圧です。

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02

この問題で覚えておくポイントは、土質や地盤に関する基本的な現象と、砂質土・粘性土の性質の違いです。
圧密沈下、支持力、土圧などは一級建築士試験で頻出の分野です。特に「N値が同じ場合でも、土質によって地盤の性状が異なる」という点を理解しておくことが重要です。では問題をみてみましょう。

選択肢1. 圧密沈下は、有効応力の増加により、間隙水の排出を伴いながら地盤が徐々に沈下していく現象である。

圧密沈下とは、粘性土地盤などに荷重がかかった際、土中の間隙水が徐々に排出されることで土粒子同士の結合が強まり、地盤が時間をかけて沈下する現象です。

地盤に建物などの荷重が作用すると、まず土中の水圧(間隙水圧)が上昇します。その後、時間の経過とともに水が排出され、有効応力が増加することで沈下が進行します。

したがって、「有効応力の増加」「間隙水の排出」「徐々に沈下」という説明は正しいです。
 

選択肢2. 地盤の許容支持力度は、標準貫入試験によるN値が同じ場合、一般に、粘性土地盤に比べて砂質土地盤のほうが大きい。

標準貫入試験のN値とは、地盤の硬さや締まり具合を示す値です。しかし、N値が同じであっても、土質によって支持力の性質は異なります。

一般に、同じN値の場合、粘性土地盤と砂質土地盤では、粘性土のほうが大きな粘着力を持つ場合があり、単純に「砂質土地盤のほうが許容支持力度が大きい」と判断することはできません。

また、粘性土地盤は圧密による長期沈下の影響を受けやすい一方、砂質土地盤は液状化など別の問題を考慮する必要があります。

したがって、「N値が同じなら砂質土地盤のほうが必ず大きい」という表現は誤りです。

選択肢3. 地盤の極限鉛直支持力は、一般に、土のせん断破壊が生じることにより決定される。

地盤に建物荷重が加わると、荷重が大きくなった場合、地盤内部でせん断破壊が発生します。

極限鉛直支持力とは、地盤がこれ以上荷重を支えられない限界の状態を示すものであり、土のせん断抵抗によって決まります。

そのため、地盤の支持力を検討する際には、地盤のせん断強度や内部摩擦角、粘着力などが重要になります。
正しい記述です。

選択肢4. 主働土圧は、地下壁や擁壁が地盤から離れる方向に変位するときに、最終的に一定値に落ち着いた状態で発揮される土圧である。

主働土圧とは、壁体が土から離れる方向に移動したとき、土が十分に膨張して最終的に安定した状態で作用する土圧です。

例えば擁壁が外側へ少し変形すると、背後の土が緩み、壁に作用する土圧は減少します。この状態で発生する最小の土圧が主働土圧です。

反対に、壁が土を押す方向に動く場合は受働土圧となり、土圧は大きくなります。
正しい記述です。

まとめ

圧密沈下は「水の排出による時間をかけた沈下」、支持力は「地盤のせん断破壊」、土圧は「壁の変位方向による違い」がポイントになります。

特に今回のような「N値が同じ場合の砂質土と粘性土の比較」はよく出題されるため、N値だけで地盤の強さを判断できないことを覚えておきましょう。

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