一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問96 (学科4(構造) 問26)
問題文
建築物の構造計画及び構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
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問題
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一級建築士試験 令和8年(2026年) 問96(学科4(構造) 問26) (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の構造計画及び構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 地震時水平力を受けて骨組の水平変形が大きくなると、P-Δ効果による付加的な応力及び水平変形が無視できなくなる。
- 建築物の平面形状が細長く、耐力壁が短辺方向の両妻面のみに配置され、剛床と仮定できない場合、両妻面の耐力壁の負担せん断力は、剛床と仮定した場合より大きくなる。
- 鉄骨構造の筋かい付き骨組の保有水平耐力計算において、X形筋かいの耐力は、引張側筋かいの耐力と、変形の適合を考慮した圧縮側筋かいの座屈後安定耐力を加えたものとすることができる。
- コンクリート充塡鋼管(CFT)構造の柱は、鉄骨構造の柱に比べて塑性変形能力が優れているので、鋼管の幅厚比制限を緩和することができる。
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この過去問の解説 (1件)
01
最も不適当なのは、「建築物の平面形状が細長く、耐力壁が短辺方向の両妻面のみに配置され、剛床と仮定できない場合、両妻面の耐力壁の負担せん断力は、剛床と仮定した場合より大きくなる。」という記述です。
床を剛床とみなせない場合、床自体が水平方向に変形します。そのため、建築物の中央部にある柱などの負担が増え、両妻面にある耐力壁の負担せん断力は、剛床と仮定した場合より小さくなります。したがって、「大きくなる」としている部分が逆です。
この記述は適当です。
P-Δ効果とは、建築物が水平に変形した状態で鉛直荷重Pが作用することによって、さらに曲げモーメントや水平変形が増える現象です。
建築物の水平変形をΔとすると、鉛直荷重PによってP×Δに相当する付加的な曲げの影響が生じます。水平変形が小さい一般的な建築物では影響を無視できる場合がありますが、高層建築物などで変形が大きくなると、付加的な応力や変形を無視できなくなります。
この記述は不適当です。
剛床とは、床が水平方向にはほとんど変形せず、各柱や耐力壁を一体として働かせることができる状態です。
平面形状が細長い建築物で、短辺方向の両妻面だけに耐力壁がある場合、床の面内剛性が十分でないと、床の中央部分が大きく変形します。
すると、中央部にある柱などが負担するせん断力が増え、その分、両妻面の耐力壁が負担するせん断力は小さくなります。
したがって、
剛床と仮定できない場合
→中央部の変形が大きくなります。
→中央部の柱などの負担が増えます。
→両妻面の耐力壁の負担は小さくなります。
となります。「大きくなる」という部分が誤りです。
この記述は適当です。
X形筋かいでは、地震による水平力が作用すると、一方の筋かいには引張力が生じ、もう一方には圧縮力が生じます。
圧縮側の筋かいは、大きな圧縮力を受けると座屈します。しかし、座屈した瞬間に耐力が完全に0になるわけではなく、座屈後にも一定の力を負担することができます。これを座屈後安定耐力といいます。
そのため、保有水平耐力を求める場合には、変形の適合を考慮したうえで、
引張側筋かいの耐力
+
圧縮側筋かいの座屈後安定耐力
として評価することができます。
この記述は適当です。
CFT構造は、鋼管の内部にコンクリートを充塡した構造です。
通常の中空の鋼管では、圧縮力や曲げを受けたときに鋼管の板部分が局部座屈することがあります。
CFT柱では、鋼管の内側にコンクリートがあるため、鋼管が内側へ変形するのをコンクリートが抑えます。一方、鋼管は内部のコンクリートを外側から拘束します。
この相互作用によって局部座屈が起こりにくくなり、座屈した後も急激に耐力が低下しにくいため、一般の鉄骨柱より優れた塑性変形能力を得ることができます。
そのため、CFT柱では、中空の鋼管柱に比べて鋼管の幅厚比制限を緩和することができます。CFT構造では、充塡コンクリートによって鋼管の局部座屈が抑えられ、幅厚比制限を緩和できることが示されています。
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