一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問94 (学科4(構造) 問24)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問94(学科4(構造) 問24) (訂正依頼・報告はこちら)

免震構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 免震構造において、免震層に設置するダンパーの減衰力を大きくすると、上部構造の地震時応答せん断力は単調に小さくなる。
  • 免震構造に用いられる、積層ゴムのアイソレータの1次形状係数S1(ゴム1層の自由表面積(側面積)に対するゴムの拘束面積(受圧面積)の比)は、主に積層ゴムの鉛直剛性及び曲げ剛性に関係する。
  • 免震構造に用いられるオイルダンパーは、免震層平面の外周部に設置すると、免震層のねじれ変形を抑制する効果がある。
  • 免震構造で用いられる天然ゴム系積層ゴムのアイソレータには、復元機能はあるが、減衰機能はほとんどない。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、「免震構造において、免震層に設置するダンパーの減衰力を大きくすると、上部構造の地震時応答せん断力は単調に小さくなる。」という記述です。

免震構造では、ダンパーによって地震のエネルギーを吸収し、免震層の変位を抑えます。しかし、ダンパーの減衰力を大きくすればするほど、上部構造に伝わる地震力まで小さくなり続けるわけではありません。

減衰力を大きくしすぎると、免震層が動きにくくなり、上部構造に大きな加速度やせん断力が生じる場合があります。そのため、減衰力には適切な大きさがあります。

選択肢1. 免震構造において、免震層に設置するダンパーの減衰力を大きくすると、上部構造の地震時応答せん断力は単調に小さくなる。

この記述は不適当です。

ダンパーには、地震による揺れのエネルギーを吸収し、免震層の変位を小さくする働きがあります。

しかし、減衰力を大きくしすぎると、免震層が自由に動きにくくなります。その結果、地震の力が上部構造へ伝わりやすくなり、上部構造の加速度や応答せん断力が大きくなる場合があります。

つまり、減衰力を大きくすると最初は応答を抑えられても、そこからさらに大きくすれば、応答せん断力が必ず小さくなり続けるわけではありません。

「単調に小さくなる」としている点が誤りです。

選択肢2. 免震構造に用いられる、積層ゴムのアイソレータの1次形状係数S1(ゴム1層の自由表面積(側面積)に対するゴムの拘束面積(受圧面積)の比)は、主に積層ゴムの鉛直剛性及び曲げ剛性に関係する。

この記述は適当です。

積層ゴムは、ゴムと鋼板を交互に重ねた免震装置です。水平方向には変形しやすく、鉛直方向には建物の重さをしっかり支える性質があります。

1次形状係数S1は、

ゴムの拘束面積÷ゴムの自由表面積

で表されます。

この値が大きいほど、ゴムが横方向へ膨らみにくくなり、鉛直方向に変形しにくくなります。そのため、S1は主に積層ゴムの鉛直剛性や曲げ剛性に関係します。

選択肢3. 免震構造に用いられるオイルダンパーは、免震層平面の外周部に設置すると、免震層のねじれ変形を抑制する効果がある。

この記述は適当です。

オイルダンパーは、内部の油の抵抗を利用して地震エネルギーを吸収する装置です。

免震層にねじれが生じると、建物の中心を軸として回転するような変形が起こります。

オイルダンパーを建物の中心付近ではなく外周部に配置すると、中心からの距離が大きくなるため、ねじれに抵抗する働きが大きくなります。

そのため、外周部への配置は、免震層のねじれ変形を抑える方法として有効です。

選択肢4. 免震構造で用いられる天然ゴム系積層ゴムのアイソレータには、復元機能はあるが、減衰機能はほとんどない。

この記述は適当です。

天然ゴム系積層ゴムは、水平方向に変形した後、ゴムの弾性によって元の位置へ戻ろうとする力をもっています。これが復元機能です。

一方、天然ゴムそのものには地震エネルギーを大きく吸収する減衰機能はほとんどありません。

そのため、天然ゴム系積層ゴムを使う免震構造では、一般にオイルダンパーや鋼材ダンパーなどを組み合わせ、必要な減衰性能を確保します。

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