一級建築士 過去問
令和8年(2026年)
問67 (学科3(法規) 問27)

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問題

一級建築士試験 令和8年(2026年) 問67(学科3(法規) 問27) (訂正依頼・報告はこちら)

以下の条件に該当する建築物の新築に係る設計に際して、建築基準法その他の法令の規定の適用に関する設計者の判断として、次の記述のうち、誤っているものはどれか。

【条件】
・構造:耐火構造
・用途:共同住宅
・階数:地上3階建て
・延べ面積:2,000m2
  • 各戸の界壁を天井裏に達せしめる代わりに、天井の構造については、隣接する住戸からの騒音を低減する性能が確保された天井であって、かつ、延焼を有効に防止することができる強化天井とし、共用廊下に通ずる出入口には防火設備を設置することとした。
  • 当該建築物の新築に係る設計受託契約を締結する際に、建築士の氏名、報酬の額及び支払の時期、契約の解除に関する事項などを記載した書面を、署名をして、建築主との間で相互に交付することとした。
  • 屋内消火栓設備を設置する代わりに、壁及び天井を難燃材料で仕上げることとした。
  • 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「耐震等級2(構造躯体の倒壊等防止)」を表示するため、極めて稀に発生する地震による力の1.2倍の力に対して倒壊、崩壊等しないことを確認した。

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この過去問の解説 (1件)

01

誤っているのは、

「『住宅の品質確保の促進等に関する法律』に基づく『耐震等級2(構造躯体の倒壊等防止)』を表示するため、極めて稀に発生する地震による力の1.2倍の力に対して倒壊、崩壊等しないことを確認した。」

です。

耐震等級2で必要なのは、極めて稀に発生する地震による力の「1.2倍」ではありません。

耐震等級2では、1.25倍の力に対して倒壊・崩壊等しないことが必要です。

国土交通省の日本住宅性能表示基準でも、耐震等級1は1.0倍、耐震等級2は1.25倍、耐震等級3は1.5倍とされています。

選択肢1. 各戸の界壁を天井裏に達せしめる代わりに、天井の構造については、隣接する住戸からの騒音を低減する性能が確保された天井であって、かつ、延焼を有効に防止することができる強化天井とし、共用廊下に通ずる出入口には防火設備を設置することとした。

この記述は適当です。

共同住宅では、各住戸の間にある界壁について、原則として天井裏や小屋裏まで達するように設けます。

これは、

・隣の住戸から音が伝わりにくくすること
・火災が天井裏を通って隣の住戸へ広がることを防ぐこと

が目的です。

ただし、一定の性能をもつ天井を設けた場合には、界壁を天井裏まで伸ばさなくてもよい仕組みがあります。

遮音については、天井が隣接する住戸からの日常生活の音を十分に低減できる性能をもつことが必要です。防火については、天井の下側で火災が起きても、天井裏へ延焼することを有効に防げる「強化天井」とする方法があります。

また、強化天井とした部分を準耐火構造の壁や防火設備で区画する方法も定められています。そのため、共用廊下に通じる出入口に防火設備を設けるという計画も、この考え方に合っています。

したがって、所定の遮音性能と防火性能を確保すれば、界壁を天井裏まで達せしめない設計ができます。

選択肢2. 当該建築物の新築に係る設計受託契約を締結する際に、建築士の氏名、報酬の額及び支払の時期、契約の解除に関する事項などを記載した書面を、署名をして、建築主との間で相互に交付することとした。

この記述は適当です。

建築士法では、延べ面積が300m²を超える建築物について設計受託契約や工事監理受託契約を結ぶ場合、契約内容を明確にするため、一定の事項を記載した書面を契約当事者が相互に交付することを求めています。

この建築物は延べ面積2,000m²なので、この規定の対象です。

書面には、設計に従事する建築士、報酬の額や支払時期、契約解除に関する事項など、法令で定められた内容を記載します。

国土交通省も、延べ面積300m²を超える建築物について、書面による契約を義務付けています。

選択肢3. 屋内消火栓設備を設置する代わりに、壁及び天井を難燃材料で仕上げることとした。

この記述は適当です。

共同住宅は、原則として延べ面積700m²以上になると、消防法上、屋内消火栓設備の設置対象となります。

今回の建築物は延べ面積2,000m²なので、そのままではこの基準を超えています。

しかし、消防法施行令では、

主要構造部を耐火構造とし、壁・天井の室内に面する部分を難燃材料で仕上げた場合

屋内消火栓設備の設置基準となる面積を、通常の3倍として扱うことができます。

共同住宅の通常の基準は700m²なので、

700m²×3=2,100m²

となります。

今回の建築物は耐火構造で延べ面積2,000m²です。

したがって、壁や天井の室内に面する部分を所定の難燃材料で仕上げれば、

2,000m²<2,100m²

となり、面積基準による屋内消火栓設備の設置対象から外すことができます。

なお、実際の設計では、階や部分の用途などによって別の設置条件に該当しないかについても確認が必要です。

選択肢4. 「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づく「耐震等級2(構造躯体の倒壊等防止)」を表示するため、極めて稀に発生する地震による力の1.2倍の力に対して倒壊、崩壊等しないことを確認した。

この記述は誤りです。

住宅性能表示制度の「耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)」は、地震に対して建物がどの程度倒壊しにくいかを表すものです。

基準は次のように考えます。

 

・耐震等級1
建築基準法で想定する地震力の1.0倍

・耐震等級2
建築基準法で想定する地震力の1.25倍

・耐震等級3
建築基準法で想定する地震力の1.5倍

 

国土交通省の日本住宅性能表示基準では、耐震等級2について、極めて稀に発生する地震による力の1.25倍の力に対して、構造躯体が倒壊・崩壊等しない程度と定めています。

したがって、

「1.2倍」ではなく「1.25倍」

としなければなりません。

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