一級建築士 過去問
令和7年(2025年)
問91 (学科4(構造) 問21)

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問題

一級建築士試験 令和7年(2025年) 問91(学科4(構造) 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

杭基礎及び直接基礎に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 地盤沈下が生じている埋立て地盤において、杭に負の摩擦力が生じる可能性がある場合、杭の表面に潤滑材を塗布することは杭の摩擦力低減に効果がある。
  • 斜面上部の水平面に建つ建築物を支持する杭基礎に地震力等の水平力が作用した場合、斜面近傍の杭は斜面から離れた杭に比べて、負担せん断力は大きくなる。
  • 地震時に杭に作用する水平力は、基礎スラブの根入れ深さに応じて一定の範囲で低減できるが、建築物の地上部分の高さが大きいほど、この低減の度合いは小さくなる。
  • 直接基礎の即時沈下の計算において、粘性土地盤及び砂質土地盤ともに、地盤の変形係数及びポアソン比を適切に設定した弾性体と仮定してもよい。

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この過去問の解説 (2件)

01

杭基礎及び直接基礎に関する問題です。

選択肢1. 地盤沈下が生じている埋立て地盤において、杭に負の摩擦力が生じる可能性がある場合、杭の表面に潤滑材を塗布することは杭の摩擦力低減に効果がある。

正しいです。

杭に負の摩擦力が生じる場合、杭の表面に潤滑剤を塗布することで摩擦力の低減につながります。

選択肢2. 斜面上部の水平面に建つ建築物を支持する杭基礎に地震力等の水平力が作用した場合、斜面近傍の杭は斜面から離れた杭に比べて、負担せん断力は大きくなる。

誤りです。

斜面の近くは地盤が柔らかいので杭の剛性が小さくなります。

そのため、杭の負担せん断力は小さくなります。

選択肢3. 地震時に杭に作用する水平力は、基礎スラブの根入れ深さに応じて一定の範囲で低減できるが、建築物の地上部分の高さが大きいほど、この低減の度合いは小さくなる。

正しいです。

杭は根入れ深さに応じて水平力の度合いが低減できますが、建築物が高い場合はその水平力の低減度合いは小さくなります。

選択肢4. 直接基礎の即時沈下の計算において、粘性土地盤及び砂質土地盤ともに、地盤の変形係数及びポアソン比を適切に設定した弾性体と仮定してもよい。

正しいです。

地盤に変形が起きる場合、通常は等価な変形ではないですが、地盤の解析においては等価な弾性体とみなして即時沈下量の計算を行います。

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02

この問題で覚えておくポイントは、杭基礎に作用する力や沈下の考え方についてです。杭基礎では、杭周面と地盤の摩擦による抵抗や、地震時の水平力による杭の負担を理解することが重要です。特に斜面付近の杭は、地盤の拘束が小さくなるため、杭に作用する力がどのように変化するかを判断できるようにしましょう。では問題をみてみましょう。
 

選択肢1. 地盤沈下が生じている埋立て地盤において、杭に負の摩擦力が生じる可能性がある場合、杭の表面に潤滑材を塗布することは杭の摩擦力低減に効果がある。

地盤沈下が生じている埋立て地盤では、周囲の地盤が杭より沈下することで、杭に下向きの力が作用することがあります。これを負の摩擦力といいます。

杭の表面に潤滑材を塗布すると、杭と地盤との摩擦抵抗が小さくなるため、負の摩擦力を低減する効果があります。

したがって、正しい記述です。
 

選択肢2. 斜面上部の水平面に建つ建築物を支持する杭基礎に地震力等の水平力が作用した場合、斜面近傍の杭は斜面から離れた杭に比べて、負担せん断力は大きくなる。

斜面上部に建つ建築物を支持する杭基礎に水平力が作用した場合、斜面近傍の杭は、地盤による拘束が小さいため、杭に発生する変形や応力が大きくなると考えられます。

しかし、杭が負担するせん断力については、斜面から離れた杭より斜面近傍の杭の負担が小さくなる傾向があります。

斜面近傍では地盤の抵抗が低下し、杭の支持能力が低下するため、設計上は注意が必要ですが、「負担せん断力が大きくなる」とする記述は誤りです。

選択肢3. 地震時に杭に作用する水平力は、基礎スラブの根入れ深さに応じて一定の範囲で低減できるが、建築物の地上部分の高さが大きいほど、この低減の度合いは小さくなる。

地震時に杭へ作用する水平力は、基礎スラブの根入れが深い場合、地盤による抵抗効果を考慮して一定範囲で低減できます。

ただし、建築物の地上部分の高さが大きい場合は、地震時の転倒モーメントなどの影響が大きくなるため、根入れによる低減効果は小さくなります。したがって、正しい記述です。
 

選択肢4. 直接基礎の即時沈下の計算において、粘性土地盤及び砂質土地盤ともに、地盤の変形係数及びポアソン比を適切に設定した弾性体と仮定してもよい。

直接基礎の即時沈下とは、荷重を受けた直後に地盤が弾性的に変形して発生する沈下のことです。

即時沈下の計算では、粘性土地盤・砂質土地盤ともに、地盤を弾性体として扱い、地盤の変形係数やポアソン比を用いて沈下量を算定する方法があります。したがって、正しい記述です。
 

まとめ

杭基礎に関する問題では、負の摩擦力・水平力・地盤条件による杭の挙動が頻出です。

特に覚えておきたい点は以下のとおりです。

・負の摩擦力:周囲の地盤が沈下することで杭を下向きに引っ張る力
・杭表面への潤滑材塗布:杭と地盤の摩擦を減らし、負の摩擦力を低減する
・斜面近傍の杭:地盤の拘束が小さくなり、杭の抵抗性状に注意が必要
・直接基礎の即時沈下:地盤を弾性体として扱って計算することがある

このような杭基礎・直接基礎の問題では、単純な暗記ではなく「地盤が杭を支える力がどのように変化するか」を理解して判断することが重要です。
 

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