一級建築士 過去問
解説あり

試験最新情報

令和8年度(2026年) 学科試験日
2026年7月26日(日)

試験日まで、27

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一級建築士について

一級建築士とは

一級建築士は、建築物の設計や工事監理を行うための国家資格です。

二級建築士や木造建築士よりも業務範囲が広く、個人住宅だけでなく、超高層ビル、大型商業施設、病院、学校、庁舎など、さまざまな建築物の設計や工事監理に関わることができます。

一級建築士は、建築士法上、二級建築士や木造建築士のような建築物の構造、規模、用途による業務範囲の上限がありません

ただし、規模が大きい建築物の構造設計や設備設計については、一般の一級建築士だけでは設計を完了できない場合があります。

法律で定められた建築物では、次の専門資格を持つ一級建築士が設計を行うか、設計内容が法律に合っていることを確認する必要があります。

・構造設計一級建築士
地震や風などに耐えられる建物の骨組みを専門に扱います。

・設備設計一級建築士
空調、給排水、電気、防災設備などを専門に扱います。

このため、大規模な建築物では、意匠、構造、設備などを担当する複数の専門家が協力して設計を進めます。

 

 

一級建築士の仕事内容

〈設計業務〉
・意匠設計
 建物の見た目や使いやすさ、部屋の配置、動線(人の動きやすさ)などを考えて、図面にまとめます。

・構造設計
 地震や風、雪の重さなどに耐えられる骨組みを計算し、安全な構造になるように設計します。

・設備設計
 空調(冷暖房)、給排水、電気設備、防災設備など、建物の中を快適で安全に保つための設備を計画します。

 

〈工事監理業務〉
・工事が設計図書に示された内容と合っているかを、設計図書と工事の状況を照らし合わせて確認します。

・工事が設計図書どおりに行われていないことを確認した場合は、施工者にそのことを伝え、設計図書どおりに工事を行うよう求めます。

・施工者が求めに従わない場合は、建築主に報告します。

・契約で定められている場合は、使用する材料、施工方法、仕上がりなどについて、より詳しい確認を行うこともあります。

 

なお、工事現場の安全管理、作業員の管理、工程管理などは、原則として施工者が行う施工管理の仕事です

工事監理を行う一級建築士が、工事現場を日常的に指揮したり、施工者に代わって安全管理を行ったりするわけではありません。

設計内容を変更する必要がある場合は、建築主や施工者などと協議し、必要に応じて設計図書の変更や建築確認の計画変更などの手続きを行います。

一級建築士の役割

一級建築士は、個人住宅から大規模マンション、オフィスビル、商業施設、病院、学校、公共施設まで、幅広い建物の設計や工事監理を担うことができます。

 

建物は、見た目がよいだけでは十分ではありません。地震や火災に対する安全性、使いやすさ、快適さ、周囲の街並みとの調和、法律への適合などを総合的に考える必要があります。

 

そのため、一級建築士には、建物を安全で使いやすく、長く安心して使えるものにするための専門的な知識と判断力が求められます。

一級建築士になるためには

<資格取得までの流れ>

ステップ内容
1建築に関する学歴要件を満たす、または二級建築士・建築設備士などの資格により受験資格を満たします。
2一級建築士試験に合格します。試験は「学科の試験」と「設計製図の試験」の2段階です。
3免許登録に必要な実務経験を満たします。令和2年の制度改正以降、実務経験は受験時ではなく、免許登録時の要件になっています。
4免許登録を申請します。令和2年以降の試験合格者が新規登録する場合、申請手数料は28,400円です。これとは別に、登録免許税60,000円が必要です。
5登録が完了すると、一級建築士免許証明書の交付を受けます。登録事務は日本建築士会連合会が行っています。

<ポイント>

・現在の制度では、受験の段階では実務経験が不要です。建築系の大学や高等専門学校などで指定科目を修めて卒業した人、または二級建築士・建築設備士の資格がある人などは、受験資格を満たせます。

・一方で、免許登録のときには実務経験が必要です。

・実務経験として認められるのは、単に会社や事務所に在籍していた期間ではなく、対象となる建築実務に実際に従事した期間です。

・試験に合格してから免許登録を申請するまでに、期限はありません。必要な条件を満たした時点で申請できます。

勉強方法

必要な勉強時間

一級建築士試験は、学科・設計製図ともに範囲が広い難関試験です。直近(令和7年)の合格率は、学科が16.5%、設計製図が35.0%、最終合格率が11.4%でした。

勉強時間の目安は、一般にトータルで1,000〜1,500時間程度と言われています。仕事をしながら合格を目指す場合は、1〜2年かけて計画的に学習を進める人が多いです。

効率的な学習方法

・まず5科目全体を一通り学ぶ
 テキストや講義で「計画・環境設備・法規・構造・施工」の全体像をつかみます。

・過去問で知識を定着させる
 学科試験は過去問の出題傾向が比較的はっきりしているため、本試験形式の過去問演習で、知識の抜けを確認しながら覚えていきます。

・配点の高い科目を優先する
 「法規」「構造」は問題数が多く、得点への影響も大きい科目です。
 この2科目をしっかり固めると、合計点を伸ばしやすくなります。

・毎日少しずつ続ける
 通勤時間や昼休み、寝る前などのすき間時間も活用し、毎日10〜30分でも問題に触れることで、知識が定着しやすくなります。

・設計製図対策は早めに着手する
 学科合格後に設計製図だけを受験する人も多いため、学科の勉強と並行して、作図の練習や過去の課題の確認を少しずつ始めておくと安心です。

建築業界の関連資格

建築業界の関連資格

建築分野には、次のような関連資格があります。

・二級建築士
主に中小規模の建築物の設計や工事監理を行う資格です。

令和7年4月1日に施行された建築士法の改正により、階数と高さに関する業務範囲は、原則として階数3以下かつ高さ16メートル以下という基準に見直されました。

ただし、二級建築士が実際に扱えるかどうかは、階数と高さだけでは決まりません。建築物の構造、延べ面積、用途などによっては、一級建築士でなければ設計や工事監理ができません。

また、都道府県の条例によって、二級建築士が扱える建築物の範囲に追加の制限が設けられている場合があります。

・木造建築士
小規模な木造建築物を中心に、設計や工事監理を行う資格です。

令和7年4月1日以降は、階数と高さに関する業務範囲が、原則として階数2以下かつ高さ16メートル以下の木造建築物という基準で整理されています。

ただし、延べ面積、用途、建築する地域の条例などによる制限もあります。木造であれば、すべての建築物を扱えるわけではありません。

・建築設備士
空調、電気、給排水などの設備計画を専門的に扱う資格です。一級建築士試験の受験資格にもつながる資格です。なお、建築設備士と設備設計一級建築士は別の資格です。

・施工管理技士
工事現場で、工程管理、品質管理、安全管理などを行う技術者の資格です。建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、土木施工管理技士など、工事の種類ごとに資格があります。

これらの資格を組み合わせて取得することで、設計、施工、設備、現場管理まで幅広い仕事に関わりやすくなります。建築業界での昇給や昇進、担当できる仕事の幅を広げるうえでも役立ちます。

試験の概要

試験会場、都道府県

試験は、住所地の都道府県で受験するのが原則です。実際の試験場はセンターが指定し、受験票に記載されます。

 

令和8年度は、学科の試験の受験票が7月10日(金)頃、設計製図の試験の受験票が9月24日(木)頃にマイページで発行されます。受験票は郵送されないため、マイページからダウンロードし、必ず印刷して試験場に持参します。スマートフォンなどの画面に表示した受験票では受験できません。

試験日時

一級建築士試験は、学科の試験設計製図の試験の2段階です。令和8年度の日程は次のとおりです。

 

<学科試験>
試験日:2026年7月26日(日)

時間内容
9:25〜9:40注意事項等説明
9:40〜11:40学科Ⅰ(計画)・学科Ⅱ(環境・設備)
12:10〜12:40法令集チェック
12:40〜12:55注意事項等説明
12:55〜14:40学科Ⅲ(法規)
15:00〜15:15注意事項等説明
15:15〜18:00学科Ⅳ(構造)・学科Ⅴ(施工)

<設計製図の試験>

試験日:2026年10月11日(日)

時間内容
10:35〜11:00注意事項等説明
11:00〜17:30設計製図

設計製図の試験時間は6時間30分です。令和8年度の設計製図の課題は、2026年7月24日(金)頃に公表される予定です。

 

<令和8年度の変更点>

令和8年度から、設計製図の試験でも法令集を使用できるようになります

学科Ⅲ「法規」と設計製図の試験では、使用基準を満たした法令集を合計2冊まで使用できます。

法令集の本編と告示編は、それぞれ1冊として数えます。使用する法令集に対応した追録や補足資料は、条件を満たせば法令集の冊数に含まれません。

次のようなものは使用できません。

・解説、要約、問題、解答などが掲載された法令集
・法令集の使用基準に反する書込みがあるもの
・法令集や追録をコピーしたもの
・インターネットからダウンロードして印刷した法令
・使用が認められた冊数を超える法令集

設計製図の試験では、試験開始後に法令集のチェックが行われます。使用基準に合わない法令集は使用できません。

 

※参考:令和7年の設計製図の課題

令和7年の設計製図の課題名は「庁舎」でした。要求図書として、平面図、配置図、断面図、面積表、計画の要点などが示されました

 

試験科目

学科試験の試験科目は以下の通りです。

科目問題数
計画20問
環境・設備20問
法規30問
構造30問
施工25問

※学科試験は、マークシートによる四肢択一式(4つの選択肢から1つを選ぶ形式)で出題されます。

受験手数料

令和8年度の一級建築士試験の受験手数料は、17,000円です。非課税です。

受験手数料とは別に、事務手続手数料が必要です。

決済方法事務手続手数料合計
クレジットカード決済281円17,281円
コンビニエンスストア決済225円17,225円

※支払期限までに支払いができない場合、受付は無効になります。また、一度納付した受験手数料は、センターの責任で試験を受けられなかった場合を除き、原則として返還されません。

合格発表

区分予定日確認方法
学科試験2026年9月2日(水)Myページで確認(郵送なし)
最終合格2026年12月23日(水)Myページで確認(郵送なし)

※合否の判定結果はマイページに通知され、通知書は郵送されません。不合格者には、試験の成績もマイページに通知されます。

通知書のダウンロード期限は令和9年2月末日です。特に、設計製図の試験の合格通知書は免許登録時に必要になるため、期限までにダウンロードして保存し、印刷しておくことが大切です。

受験資格

一級建築士試験の受験資格は、建築士法第14条に基づいて定められています。代表的なものは次のとおりです。

・大学や高等専門学校などで、指定科目を修めて卒業した人
・二級建築士の資格がある人

・建築設備士の資格がある人
・国土交通大臣が同等以上の知識と技能を有すると認める人

なお、実際には入学年度や学校の種類、取得単位数などにより細かな条件が異なります。詳細は、公益財団法人 建築技術教育普及センター(JAEIC)の最新の「受験資格」ページと受験要領で必ず確認してください。

公益財団法人 建築技術教育普及センター(JAEIC)公式サイトhttps://www.jaeic.or.jp/

 

受験申請

<申込方法>

一級建築士試験の受験申込は、原則としてインターネットで行います。センターのマイページから手続きします。

令和8年度の受験申込受付は、すでに終了しています。令和8年度の受付期間は、2026年4月1日(水)10:00から4月14日(火)16:00まででした。

インターネットによる受験申込が行えない正当な理由がある場合は、別途受付方法の案内を受けるため、指定された期限までに公益財団法人 建築技術教育普及センター本部へ問い合わせる必要があります。

 

<令和8年度の受付期間>

内容期間・期限
受験申込受付期間2026年4月1日(水)10:00〜4月14日(火)16:00
支払期限2026年4月15日(水)23:55
書類提出期限2026年4月17日(金)当日消印有効

学歴を受験資格として申し込む場合は、受験資格を証明する書類を簡易書留で郵送します。直接持参しても受理されません。

二級建築士または建築設備士を受験資格として申し込む場合は、資格を証明する書類の電子ファイルを申込時にアップロードします。この場合、郵送は不要です。

 

<受験票のダウンロード>

区分発行予定日
学科の試験の受験票2026年7月10日(金)頃
設計製図の試験の受験票2026年9月24日(木)頃

受験票は郵送されません。マイページからダウンロードして、必ず印刷して持参します。スマートフォンなどの画面上の受験票では受験できません。

免除制度

一級建築士の学科の試験には、科目ごとに合格を積み上げる制度はありません。

学科Ⅰから学科Ⅴまでについて、それぞれの科目の基準点と総得点の基準点をすべて満たした場合に、学科の試験に合格します。

学科の試験に合格した人は、本人が申請することにより、その後の一定期間、学科の試験が免除され、設計製図の試験から受験できます。

令和2年以降の学科合格者は、学科に合格した年から続く4回の一級建築士試験のうち、2回まで学科の試験の免除を受けられます。

ただし、学科に合格した年の設計製図の試験を欠席した場合は、その欠席は設計製図の受験回数に数えられません。この場合は、4回の試験のうち、3回まで学科の試験の免除を受けられます。

例えば、学科に合格した年の設計製図の試験を受験して不合格となった場合は、その後の対象期間内に、設計製図の試験をさらに2回まで受験できます。

学科に合格した年の設計製図の試験を欠席した場合は、その後の対象期間内に、設計製図の試験を3回まで受験できます。

令和8年度試験では、原則として令和4年から令和7年までに学科の試験に合格した人のうち、令和7年までの設計製図の受験回数が2回以内の人が、学科の試験の免除対象となります。

学科免除を受ける場合も、受験申込期間内に申込みを行う必要があります。自動的に設計製図の試験を受けられるわけではありません。

合格情報

合格基準

一級建築士試験では、学科の試験と設計製図の試験で合格の判定方法が異なります。

 

<学科の試験>

学科の試験は、各科目の基準点と総得点の基準点をすべて満たす必要があります。どれか1科目でも基準点に届かない場合は、総得点が高くても不合格になります。

令和7年の学科試験の合格基準点は、次のとおりです。

科目合格基準点
学科Ⅰ(計画)11点
学科Ⅱ(環境・設備)11点
学科Ⅲ(法規)16点
学科Ⅳ(構造)16点
学科Ⅴ(施工)13点
総得点88点/125点

令和7年は、総得点の基準点が88点でした。合格基準点は毎年必ず同じではなく、試験の難しさなどにより変わることがあります。

 

<設計製図の試験>

設計製図の試験は、採点結果がランクⅠからランクⅣに分けられます。合格となるのはランクⅠです。

令和7年の設計製図の試験では、ランクⅠの割合が35.0%でした。

免状の交付

一級建築士試験に合格しただけでは、一級建築士として業務を行うことはできません。免許登録の手続きを行い、登録が完了してから、一級建築士として名乗ることができます。

登録が完了すると、一級建築士免許証明書が交付されます。

免許登録では、登録免許税60,000円に加えて、免許申請手数料が必要です。令和2年以降の一級建築士試験合格者が新規登録する場合、申請手数料は28,400円です。

登録手続きの窓口は、指定登録機関である日本建築士会連合会と、各都道府県の建築士会です。

 

<免許登録の申請期限>
試験に合格してから免許登録を申請するまでに、期限はありません。実務経験などの登録要件を満たした時点で申請できます。

ただし、設計製図の試験の合格通知書は免許登録時に必要になるため、マイページから必ず保存・印刷しておきます。

 

<資格の更新>

一級建築士の免許は、毎年更新するタイプの資格ではありません。

ただし、建築士事務所に所属して、設計や工事監理などを業務として行う建築士には、3年に一度、建築士定期講習を受講する義務があります。

合格率の推移

【学科試験】

実施年度受験者数合格者数合格率
2025年(令和7年)27,4894,52916.5%
2024年(令和6年)28,0676,53123.3%
2023年(令和5年)28,1184,56216.2%
2022年(令和4年)30,0076,289    21.0%
2021年(令和3年)31,6964,83215.2%

【設計製図試験】

実施年度受験者数合格者数合格率
2025年(令和7年)11,3813,98835.0%
2024年(令和6年)11,3063,01026.6%
2023年(令和5年)10,2383,40133.2%
2022年(令和4年)10,5093,47333.0%
2021年(令和3年)10,4993,76535.9%

【総合合格率】

実施年度合格率
2025年(令和7年)11.4%
2024年(令和6年)8.8%
2023年(令和5年)9.9%
2022年(令和4年)9.9%
2021年(令和3年)9.9%

令和7年の総合合格率は11.4%でした。一級建築士試験は、学科の試験と設計製図の試験の両方に合格する必要があるため、最終合格率は毎年おおむね1割前後で推移しています。